読了 - プロセスエコノミー
多様な社会に適合したエコノミーモデル。
商品、サービスは機能的な価値を提供することが原点。
社会にモノがない時代は作れば売れる。
モノが充足して、モノが提供する機能性にコモディティ化が進んだ後は、機能性以外が差別化の対象になる。
書籍「ハイ・コンセプト」はそういう書籍だったと思う。
しかし、プロセスエコノミーは機能性以外を単なる差別化以上のものに押し上げる。
従来は、裏方だったつくり上げる過程を公開し、さらにはファンの関与も受け入れる。
それが今、広がりつつあるプロセスエコノミーという経済モデル。
本書はプロセスエコノミーが生まれた背景、その仕組み、実践方法をひも解いた書籍。
特に1章「なぜプロセスに価値が出るのか」ではプロセスエコノミーに移行していく背景が丁寧に解説されていて面白い。
食うに困らないからこそ、内面の問題に突き当たる
だから「良好な人間関係」や「意味合い」、「没頭」できるものに価値を感じる。
プロセスに価値が生まれてくるのも納得です。
プロセスエコノミーの実践方法
本書で紹介されるプロセスエコノミーの実践方法、ジャングルクルーズ型とバーベキュー型は具体的なイメージが湧いてイイですね。
- 一人ひとりが冒険の仲間。みんなでキャーキャー騒ぎながら冒険の最前列に陣取っている感覚を味わえる。
- 夢を実現する冒険を、実際には危険のない場所で共に味わうことが最大の価値
バーベキュー型
- お金を払って「仕事」をするという極めてプロセスエコノミー的な体験です。
- 大切なのはそのプロセスの中には、多様な人が楽しく参加できる小さな役割がたくさんあるということです。
- 小さな役割をたくさん用意し、居場所を作ってあげることがキーになる。
コンシューマー向けのビジネスをしておられる方は参考にしてみては如何でしょうか。
B to Bでもできる?
そういえばオープンキッチンで調理する料理も身近なプロセスエコノミーですね。
あそこは店の外からでもオムライスをつくってるところを見れるのですが、
無駄のない、流れるような手さばきでキレイなオムライスが出来上がっていく。
見ているだけで楽しいし、食べたくなります。
あれは単なる食事ではなくエンターテインメント。
ソフトウェア開発でも出来るんですかね?
いや出来ないと思ってるだけで、やりようはあるのかも…
IT業界もこれから多くの人が流入してきて、開発技術もコモディティ化していくことでしょう。
もう少し時間はありそうだから、ITのプロセスエコノミーも考えてみたいものです。