バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - カルチャーモデル 最高の組織文化のつくり方

カルチャーはいわば、会社にとって何を優先すべきで、どんな意思決定をし、どんな戦略を立てるかを考える際、指針となる羅針盤のようなもの

会社として「何を好むか、何を嫌うか」というモノは、どこの会社にもある。

失敗に対して厳しい会社、トレーサビリティにウルさい会社、前例踏襲主義の会社、「まずはやってみよう」という会社、いろいろあるものです。

いろんな会社とお仕事すると気づくのは、その組織のカルチャーに合わない話を受け入れてもらうには膨大な労力がかかるし、進めるにも時間がかかること。

このため出来るだけ早い時期に、相手のカルチャーを読み取って、これに沿う話に仕立てていくのがITエンジニアとしては大事。

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ところで本書はそういう話ではありません。

人や組織力を強みとしている企業に共通しているのは「組織のカルチャーを社内外に浸透させることに力を注いでいる」こと。

そのためにはカルチャーが自然に醸成されるに任せるのではなく、トップダウンでカルチャーを設計、言語化し、浸透させる必要がある、という話。

カルチャーを浸透させることが効果的な典型が採用。

カルチャーを公開し、従業員がそれに沿って行動することで、共感した人が吸い寄せられてくる。

サントリーの「やってみなはれ」(「やってみなはれ の歴史」を参照)なんかがいい例ですかね。

2章から5章がカルチャーを設計、言語化、浸透させるための具体的なプロセスと事例研究という構成になっています。

特に5章。「カルチャーの浸透のさせ方」として、本書全体の25%に相当するページを割いているところからも浸透させることの難しさと重要さを表している。

組織運営に携わる方、組織の体質を変えたい方には一読の価値あり、と思います。