バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 1秒で答えをつくる力

コントの稽古中、話をフられた若手が即答できないと欽ちゃんは「黙ったら終了!」と言って最初からやり直させると聞いたことがある。

本書のタイトルからこのエピソードを思い出した。

お笑い芸人は1秒で「おもしろそう」と思わせなければ、見ている人にチャンネルを変えられてしまう

TikTokYouTube、音楽のサブスク。

「タイパ(タイムパフォーマンス)」を気にする世代が広がる先にはお笑い芸人同様、1秒で何を感じさせられるかも生き残り戦略に入ってくる。

時代の変化は加速しているから、お笑い以外でも1秒を争う答えが求められる日も近い。

著者は、お笑い芸人養成を行う吉本興業NSCの講師である本多正識氏。

1秒でお客をつかむことを追求することを教える仕事。

そのノウハウが公開されること自体、少ないと思う。

本書は章を追うごとに

  • 芸人見習いがはじめる入門編(1章)

  • 若手芸人が取り組む基礎編1(2章)

  • 若手芸人が取り組む基礎編2(3章)

  • プロの芸人が必ず行っている実践編1(4章)

  • プロの芸人が必ず行っている実践編2(5章)

と、進む。

1章は見習い向けだけに取り組みやすいレッスンが並び、これをきちんと実践していくだけでもビジネスパーソンとしてレベルアップできるに違いない。

でも、レッスンは手を抜かずに継続するのが大変。

だからこそ、売れる芸人とそうでない人に分かれてしまうんだろうなぁ

ときおり見返したいポイント

備忘的に列挙だけさせてもらっておきます。

  • 常識を起点に非常識を作る。…「想定は超えるが理解はできる」範囲にとどめる。(コンサルも同じ)

  • 大事なことは、すぐに答えを出すことではなく、会話を続けること。「反応する→返答する→考える」が実は最もいいプロセス。

  • 表情には常に客観性が必要。満面の笑みを浮かべてるつもりでも、相手には苦笑いに見えてしまうこともある。

  • 考える時は口に出す。頭の中にあるイメージを言葉にすると、具体的に考えることができる。

  • きちんと簡単に言い換えることができるようにしておく

  • 覚えてほしいキーワードがある場合は「最初に使うタイミング」で、丁寧に、ゆっくり、はっきり伝えることが大事

    • 講演会で話をする時は冒頭の3分間は意識して丁寧ゆっくり
  • より多く常識を知っていないと非常識はつくれない

気に入ったレッスンをピックアップして、ご自分のリストに加えてみてはいかが。