読了 - 1秒で答えをつくる力
コントの稽古中、話をフられた若手が即答できないと欽ちゃんは「黙ったら終了!」と言って最初からやり直させると聞いたことがある。
本書のタイトルからこのエピソードを思い出した。
お笑い芸人は1秒で「おもしろそう」と思わせなければ、見ている人にチャンネルを変えられてしまう
「タイパ(タイムパフォーマンス)」を気にする世代が広がる先にはお笑い芸人同様、1秒で何を感じさせられるかも生き残り戦略に入ってくる。
時代の変化は加速しているから、お笑い以外でも1秒を争う答えが求められる日も近い。
著者は、お笑い芸人養成を行う吉本興業NSCの講師である本多正識氏。
1秒でお客をつかむことを追求することを教える仕事。
そのノウハウが公開されること自体、少ないと思う。
本書は章を追うごとに
芸人見習いがはじめる入門編(1章)
若手芸人が取り組む基礎編1(2章)
若手芸人が取り組む基礎編2(3章)
プロの芸人が必ず行っている実践編1(4章)
プロの芸人が必ず行っている実践編2(5章)
と、進む。
1章は見習い向けだけに取り組みやすいレッスンが並び、これをきちんと実践していくだけでもビジネスパーソンとしてレベルアップできるに違いない。
でも、レッスンは手を抜かずに継続するのが大変。
だからこそ、売れる芸人とそうでない人に分かれてしまうんだろうなぁ
ときおり見返したいポイント
備忘的に列挙だけさせてもらっておきます。
常識を起点に非常識を作る。…「想定は超えるが理解はできる」範囲にとどめる。(コンサルも同じ)
大事なことは、すぐに答えを出すことではなく、会話を続けること。「反応する→返答する→考える」が実は最もいいプロセス。
表情には常に客観性が必要。満面の笑みを浮かべてるつもりでも、相手には苦笑いに見えてしまうこともある。
考える時は口に出す。頭の中にあるイメージを言葉にすると、具体的に考えることができる。
きちんと簡単に言い換えることができるようにしておく
覚えてほしいキーワードがある場合は「最初に使うタイミング」で、丁寧に、ゆっくり、はっきり伝えることが大事
- 講演会で話をする時は冒頭の3分間は意識して丁寧ゆっくり
より多く常識を知っていないと非常識はつくれない
気に入ったレッスンをピックアップして、ご自分のリストに加えてみてはいかが。