読了 - 科学的に正しいずるい資料作成術
特にお勧めな読み手は、上司先輩の作ったひな形がダメだと思ってる人。
本書は、従来のパワポ・ハウツー本と違っていて、うまくいったことに対する数値的根拠が示されています。
過去に上司や先輩が作ってきたパワポ資料のひな形を、若手の立場で変えるには根拠がある方が断然いいです。
本書はその根拠が充実しています。
- 5万枚以上の資料を分析
- 826人の意思決定者にヒアリング
- 勝ちパターンを4513人が実証実験を行い
- 成約率が22%向上
また本書では、良い例、悪い例を示すだけではなく、良し悪しの基準がシンプルで具体的なのでチェックポイントとしても使えます。
あんまりにも具体的なので、著作権保護の観点から引用しづらいぐらいです。
でも、まったく引用しないのもアレなので、自分でも「やっちゃってたなー」と反省したのを一つ。
1スライド内に矢印が5つ以上あると、58%以上の意思決定者はネガティブな印象を抱く
思わず、これまでに作った資料を思い浮かべて矢印を数えてしまいました。
感心させられたポイントも少し、備忘も兼ねて挙げさせてください。
- わかりにくい資料は10秒ではじかれる
- 役職ごとに重視するポイントが異なる
- 経営者は感情で物事を判断している
役職ごとの決定方法で面白かったのは、担当者から役員までは論理派なのに開発者・エンジニアは感情派なんですね。
ま、言われてみればエンジニアは、プログラミングの良し悪しをコードの美しさで判断したり、要件と実装方式の組み合わせについて「相性が悪い」と言ってみたり、論理性のかけらも感じない指標を使いますね。
1章以降は、資料作りのノウハウが具体的に解説してありますので、資料の作成前後に確認するのがお勧めです。(そのダイジェストが本書冒頭にある6つのルールです。)
MSのエバンジェリスト、西脇(@waki)さんの本も結構好きで、パワポを作る前には見直すのですが、この本も手放せない一冊になりました。
- 作者:越川 慎司
- 発売日: 2020/02/05
- メディア: 単行本(ソフトカバー)