バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - テクノロジーをもたない会社の攻めのDX

「テクノロジーをもたない会社」というと語弊がある。

本書が意味するところは「ITを得意としない会社」のこと。

そもそもDXは、ITが得意であるかどうかで必要性が変わるわけではない。

今がVUCAな時代であるから、速い変化に適応できることが生存戦略の基本となっている。

ムダを省いて機動性を高め、変化の予兆を察知する手段の一つがデジタル化。

デジタル化をうまく進められると、そこから得られるデータを土台に、新たな施策推進や事業開発へと展開可能になる。

本書の使い方としては、非IT企業がDXに取り組むための「ザックリした見通し」を得るのに良い。

ホントにDXに取り組む際には、DX推進を支援できるコンサルの伴走が欲しいところ。

ただコンサルも玉石混交なので、自社にマッチするコンサルを選ぶ前提知識として読んでおくのもアリかも。

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手を付け始めるなら深化

企業が事業の継続、拡張を目指す方向を本書に沿って言うなら、既存の事業や業務を高度化・変革していく「深化」と、新規の顧客価値やビジネスを創出していく「探索」に分かれる。

最初はどちらから手を付けるかと言えば、本書にも第1段階の最初のステップとして

特定の領域での小さな取り組み

とあるように、既存事業を対象にした取り組みが望ましい。

まずは、

  • デジタル化による感覚を養う
  • 俊敏にトライする習慣を身に着ける
  • デジタル化が良い結果をもたらすという実感を持つ

そこから始めるのが良い。

そのステップを本書では

「深化」のためのDX施策

  1. 監視・可視化
  2. 制御・自動化
  3. 最適化・自律化

としている。

これならITを得意としない会社にも取り組みやすそう。

本書ではDX施策を考えるための着眼点なども列挙されているため、一読してみては如何。