読了 - 両利きの組織をつくる
組織が進化するには
- 守りの経営(既存事業を深掘り)
- 攻めの経営(新規事業を探索する)
この両方を実現する異なる二つの能力が必要。これを「両利きの組織」と言っている。
それ自体はごもっともな話。
それで、どうやって両利きにするのかが本書のテーマ。
経営幹部とミドルの研修テーマに良さそう
本書は事例、理論、実践で構成されておりケーススタディとしてみると良くできている。
題材に取り上げられている素材メーカーのAGCについても、かなり細かい部分まで踏み込んでいるので具体的で臨場感がある。
経営幹部には「両利きにするために、あるいは両利きであり続けるために」を考える研修として、
ミドルには「自分たちがトップになっていく過程で必要な思考パターンを習得する」研修に使える。
自分たちで未来像を描く研修にもなる。
既存事業を深堀りする組織と新規事業を探索する組織を両立する際の問題は、昨今のDX人材採用の課題にも通じる。
既存の人事制度から外れるほどの高額報酬を提示しなければならない高度な専門性をもつ人材。
仮に雇えたとしても、従前の報酬体系にある従業員と同じ部署に配置するのはムリ。
ん?
そうなると「両利き組織への移行が喫緊の課題だ」という企業が多いということか。
経営幹部の方と、人事担当はこの本を読んでみて、この後の組織変革プロセスを考えてみると良いかも。
両利きの組織をつくる――大企業病を打破する「攻めと守りの経営」
- 作者:加藤雅則,チャールズ・A・オライリー,ウリケ・シェーデ
- 発売日: 2020/03/05
- メディア: Kindle版