バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 戦略人材不足と組織力開発

企業が事業継続していくためには、会社と共に歩もうという人材と、その時その時の経営課題を乗り越えるための専門家タイプの人材が必要になる。

従来からのメンバーシップ型雇用は、共に歩むタイプの従業員を育むことに向く一方で、社会情勢や経営課題にあわせたスキルの異なる専門家を取りそろえることには向かない。

また、メンバーシップ型雇用の難しいところは、時代の変化に適合できなくなった従業員を簡単に解雇するわけにもいかない点にある。

安直に言うと、従業員に時代に合わせたスキルを付けさせていけば良いわけではあるが、この1~2年、うるさいほど「リスキリング」と騒いでること自体が、それが難しいことの証拠なのだろう。

いっそ企業は従業員を、会社と共に歩める少数の人材だけに絞り込んでしまい、その他の人材はアウトソースするか、プロ野球のように業務委託という形で個人と契約した方がいいのではないか、とすら思える。

優秀な専門家人材には、3年間で1億円みたいな契約ってどうだろう?

専門家人材には会社よりジョブに対するロイヤリティの方が高い人が多そうだし。

専門家の方は自分の契約に不利益が含まれないことを押さえる知識が必要にはなるが、そこはメジャーリーガーのようにエージェントが間に入ればいい。

企業は優秀な人材をスポットで配置できるし、人材の方も納得できる条件で働ける。

一方で、高度人材じゃない人がこぼれていくことが予想できる。

そこに対しては、自ら「売れる人材」となる努力をして頂くか、働く企業に対してロイヤリティを持って頂くか、あるいは高度ではなくても人間にしかできない仕事を探して頂くことになるように思う。

簡単なこととは思えないけど…

ちなみに本書はというと、難しい教科の教科書っぽい印象。

構成が体系立っていて、いろんな視点を得られるが提言に至っているわけではない。

また、人事の話に慣れてないせいか、読み進めるのに疲れた。

せっかく買ったことだし、人事系のテーマに立ち向かう時に再読しようと思う。