バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 意思決定が9割よくなる 無意識の鍛え方

人の行動の9割は無意識で行われると言われている

無意識が人間の意思決定にどのように影響しているか、その無意識に働きかける方法を、いつもの茂木健一郎さんらしく「僕」「僕ら」と親しみやすく語りかけてくれたのが本書。

脳科学では、「思考の傾向はすべて無意識で決定づけられていて、本人にその自覚がない」と考えられている。

だからこそ、無意識を変えなければ、思考を変えることも行動を変えることもできない。

意識していない無意識を変える方法、これを結論だけ見ると、別の形でいろんなところで言われていることだと気づきます。

「意識を変えるには行動を変える」。

意識、つまり思考は、無意識によって導き出されているのだから、行動を変えることが無意識に働きかける方法になるんですね。

ただし、どのような行動が効率的に無意識に働きかけるかを知っていることは大事です。

無意識の鍛え方

  1. 毎朝のルーティーンを徹底化する
  2. 頭を空っぽにして歩く「歩行禅」(身体の力を抜き、可能な限り、何も考えずに歩く)
  3. メモ書きは落書きを添える(文字情報だけじゃなくイメージが大事)

脳内の情報が整理され、取捨選択や記憶と結びつきやすくする脳の状態がデフォルト・モード・ネットワーク。

1日30分でもこのデフォルト・モード・ネットワークの状態にすることが無意識を鍛えることになる。

また、「ああ、そういうことだったのか」と感心したのが閃きのメカニズム。

何かアイデアを欲しているとき、まずは前頭葉が「こんなものが欲しい」というリクエストを出す。

それを受けて脳内のビッグ・データである側頭葉が、リクエストに一番近いものを、過去のアーカイブから引っ張り出してくる。これが閃きのメカニズムだ。

「目についたモノや、思いついたコトをメモる」ことを習慣化することは定番のアイデア発想法ですが、側頭葉がリクエストに近いものを探すときのアーカイブを充実させることだったのですね。

理屈が分かれば、他の人にも「意味ある努力」として推奨しやすいです。

ココでは省きますが『2章 世界的にも稀有な「日本的無意識」とは』も面白かったです。

いろんな国の人との接点は増える一方ですから、無意識に身についてしまっている日本的思考を見直しておくのも良いかと思います。