バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 地域の課題を解決するクリエイティブディレクション術

読書メモが消えた…

kindle unlimitedで読んでた本だったのに、うっかり「返却」

読書中、マーキングしながらの気づきメモも一緒に消えちゃいました。

ということで、気を取り直して再読しました。

地域課題とクリエイティブ

地域には地産品やそれに関わる技術がある。

地元の人たちは「何もない」と言ったとしても、そんなことはない。

ただ都会と違うのは「伝え下手」。

地域にもクリエイターは居る。

でも、課題解決に向けた総合的な方向づけや、推進を担うクリエイティブディレクターが少なすぎる。

だから「クリエイティブディレクション術を伝承しよう」というのが本書。

クリエイティブは「着想」「企画」「定着」の繰り返し

  1. 着想 … 課題の発見とコンセプト開発
  2. 企画 …コンセプトに基づく具体的なアイデアの開発
  3. 定着 …企画を具現化し、定着させる

2~4章で着想、企画、定着の取り組み方、事例を解説していきます。

その中で特に大事なのは「着想」

著者は「クリエイティブワークの7割は着想工程」であり、いちばん脳内時間を割くと言っています。

着想で取り組むのは、課題の発見とコンセプト開発。

本書中でももっとも共感したのがこの着想での『ならではの根源課題』

地域や依頼主、その相手特有の根源課題を見つけること。

その手法は依頼主から提示された課題をもとに、その原因を深く深く探る。

そのうちに自分の中で「これだ!」と思う「鉱脈」が見つかる。

それが、その地域や依頼主 "ならではの根源課題"。

まずは地域や依頼主についての丹念な調査。ヒアリングしたり、歩き回ったり。

課題に関連すること、課題の背景となっている地域のことを知ることから始める。

課題を生じさせた直接的な原因、課題の構造、歴史的背景、などなど。

深く幅広く調べて考えて「これだ!」と思うモノにたどり着く。

それが『ならではの根源課題』

確かに、そこにたどり着けなければ成功には至らないでしょうね。

この『ならではの根源課題』にアプローチする手法はクリエイティブに限らず応用できます。

誰かに教えるときに使わせてもらいます。

もう一つ大事なのは「巻き込む」

5章の「定着」編で「地域のクリエイティブ資源を活かす」として解説されていますが、課題解決の推進には現場の人が「自分ごと」に出来るかどうかが大きく関わります。

地域課題の場合は、クリエイターだけじゃなく地元にいる企業、商店、普通の人達も巻き込んでいくのが大事。

読み終わってみて思うのは「ITによる課題解決とかなり似てる」です。

恐らくIT以外でも参考になるでしょう。

課題解決のリードを任された人は一読してみると良いかと思います。