バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 広告ビジネスは、変われるか?

従来、広告は送り手の想いを活かし、受け手に新たな気づきを与える役割を持っていた。

「情報の非対称性」は、デジタルネットワークが進展する社会において着実に減少しています

そのことが広告ビジネスの変化を余儀なくしている。

これが本書が提起する課題感。

そして、これからの広告ビジネスが目指すべきなのが「サービスとしての広告」。

これまでも広告ビジネスはサービス業に分類されており「サービスとしての…」というと違和感を感じるところもある。

しかし本書では、広告枠と表現を売ることが主であり、むしろモノ売りに近い、と指摘する。

本書の言う「サービスとしての広告」とは

  • システム全体を支えるデータ基盤
  • 集積されたデータをAIなどを活用したオリジナルのアルゴリズムによる統合。期待できる効果を最大化するプランニング
  • 実施結果の可視化、そして継続的な改善

これらを一体として統合したテクノロジーシステムであるべきだ、というもの。

本書は課題解決型ビジネスに通じる考察

本書から分かるのは広告ビジネスは蓄積された多くのデータ、知識、実証、考察を背景にした課題解決サービスである。

これは、ITやコンサルティングなどと本質的に同じビジネスモデルと言える。

つまり、本書の問いかけ、考察は多くの課題解決型ビジネスにも使える。

中でも

  • 広告ビジネスが「DX」で目指すべき姿とは?

  • 広告会社 "ならでは" の役割とは何か?

この問いは、自らに投げかける価値がある。

私のいるIT業界なら

  • ITビジネスが「DX」で目指すべき姿とは?

  • IT企業 "ならでは" の役割とは何か?

この問いの答えとして「顧客のDXを支援する」は適切とは言えないように思う。

確かにDX過渡期には「DXを支援する」ことがIT企業に期待される役割ではある。

でも、その先は?

DXが普及したその後、いまのIT企業は役割を終える?

それもアリなんだと思うけど、これからIT業界を目指す人たちは「その先」も考えた方が良さそうですね