バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - たったひとりからはじめるイノベーション入門

「こちら、『たけばやしー』とお読みするのですか?」

本書を買った決め手と言えば、プロローグに出てくるこの一節。

受付でナナメ上な対応をされたことを面白がれる人なら、面白い本に違いないと。

実際のところ、笑えるような面白さではないものの「自分も始めてみよう」と思える本でした。

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「これからはイノベーションが必要」などと聞くけれど、そもそも何をやればイノベーションになるのか?

その答えとして腑に落ちたのが以下。

イノベーションというのは結果だ」ということです。と言っても「結果がすべて」という意味ではありません。(中略)

「自分の意思に従い、信念を持ってやり続ける人がいる。それに賛同した人が集まって、新しい価値が生まれる。最後に外部の人たちがその価値に『イノベーション』というレッテルを貼る」

イノベーションを起こそう」とするわけじゃないんですね。

イノベーションとは新しい軸を生み出すことであり、それは誰かのちょっとしたWILLからはじまる

自分でできることからはじめる。それで良いと言われるなら、試しに始めてみればいいと思えます。

また、新しい軸の生み出し方も

  • バックキャスト(ありたい未来から現在を考える)とフォーキャスト(未来のために現在を起点に考える)から考える
  • 既存の軸を反転させて生まれることもある。(「駅は鉄道への入口」→「駅は街への入口」)

こんな風に考えてみればいいと分かります(当然ですが本書中ではもっと詳しく書いてます)。

自分でも始めてみる

いま、私もちょっと試してることがあるんです。

システム開発で、ダメなプロジェクトって周りが気づいた時には手遅れになっていることが多いのです。

当然、最初からダメなプロジェクトは無いし、ダメにしようと進めたプロジェクトマネージャやメンバーもいない。

必然的に、プロジェクトの途中で、プロジェクトの中の人が意図しないまま、悪化していったんだというになります。

ということは、プロジェクトのアウトプットが作られていく経過を追跡したら、ダメなプロジェクト特有の傾向があるはず。

この仮定に基づいて、まずは設計の複雑度を測定するツールを試作中。

現在、ツール初号機をちっちゃいプロジェクトで試してもらい始めたところ。

いつの日か、「あれこそシステム開発のDXだった」と言われることを夢見て。