読了 - ひらめかない人のイノベーションの技法
経済に停滞感が広がると、あっちこっちで「イノベーション」のキーワードが見られるようになると思いませんか。
スマホみたいに社会を変えるモノが思いつけたらいいんでしょうけど、そこまでの発見が自社の中から産まれることを本気で期待しているとも思えません。
じゃあ、どんなものが出来たらいいのかという話を聞くことも少ないんですよね。
改めて、イノベーションって何だっけとググってみたところ、ビジネス+ITの記事がイメージしやすかったです。
曰く、
①新しい財貨の生産
②新しい生産方法の導入
③新しい販売先の開拓
④新しい供給源の獲得
⑤新しい組織の実現
(出所: ビジネス+IT 連載:イノベーションのすゝめ(1)より)
「スマホみたいなモノ」に比べるとだいぶ身近になりましたね。
でも、どの程度、新しければイノベーションなのか?改善との違いは?
そう考えるとイノベーションとは、既存の前提や常識を超えた変化をもたらすもの、でしょう。
だからこそ、本書でも価値基準、前提、常識を脇に置くことが必要だと言っています。
本書は著者の知見をTips化し、価値基準、衆知、科学的手法、ズレ、マネジメントの5つで整理していますので、辞書的に読むのもいいように思います。
これらの切り口で考えてもイノベーションがひらめかない人に、お勧めな本書のTipsを一つ。
Tips 31. 構造的権力で工夫を促す
人は制限の中に無限の自由を見出す
本書では集団に対して創意工夫を促す方法として紹介されていますが、これは個人でも使えます。
ん~、ブレーンストーミングをやってるときに、意見が出なくて困るときはありませんか?
周りに他の人がいる場合、「いい意見を言わなくちゃいけない」と思ってしまって、発言できない人って結構多いです。
こんな時は、あえて制限を与えて、一時的に自由度を減らすとアイデアが出てきますよ。
例えば営業戦略を考えるブレストなら
- 顧客の立場で考えて「どんなアプローチしてほしいか?」
- 競合の立場で考えて「やって欲しくないのは、どういうこと?」
立場と、質問を制限することで答えを考えることは容易になります。
これで意見が出るようになれば、次は「前提をひとつ外してみたら、他にやりようがあるのか?」ですよね。
ちょっと発想をぶっ飛ばせて悪ノリしてみるのもいいです。
あ、悪ノリは発想を広げる大事なtipsでしたね。
本書は、そんなこんなを考えながら読める書籍でした。
- 作者:篠原 信
- 発売日: 2020/01/28
- メディア: 単行本