読了 - プロフェッショナルネゴシエーターの頭の中
交渉は必要なコト
ビジネスの現場では「交渉」にネガティブなイメージを抱く人もいる。
おそらく勝ち負けのあるやり取りを想像してしまっているのでしょう。
システム開発のエンジニアが遭遇するのは、納期やコスト、仕様変更の話が交渉の場面。
ユーザー側の要求をそのまま聞いてしまって無茶な仕事に苦しむというのはよくある話。
一人の担当者でしかなかった頃には、プロジェクトマネージャやリーダーたちに対して、「そんな変更、素直に聞いてくるなよ」とか思ったものです。
本書が指摘するように、立場や利害が異なる以上、その両者で何かを決めるには交渉が必須です。
一方、社会人になっても交渉を教わる機会は少ない。
運が良ければ、上長や先輩が実地指導で教えてくれるかもしれないくらいです。
本書はそんな交渉をざっと理解するには良いかと思います。
本書にでてくる交渉に必要な知識
買い手と使い手が違うことは多々あります。
決定権を持っている人が誰かを確認することは交渉の基本の一つですね。
実体験で身に着けた交渉のポイント
まずは「共に利益を得る仲間」となることを目指す
交渉相手と利害が一致しないのは当然ですが、Win - Loseの関係にあると思われてしまっていると交渉は勝つか負けるかになってしまいます。
二度と会わないならともかく、そうでない限り、勝ち負けにしてしまうと交渉は失敗です。
後々まで良好な関係を続けるには、交渉相手と共存共栄の関係を目指すべきです。
当然のことですが、相手だけでなくこちらにも利益があることも隠すことなく認めます。
ビジネスの現場で「無私、利他」は胡散臭いだけですから。
期待値をコントロールする
相手に過剰な期待を抱かせない。
一方で魅力がなければ話になりません。
交渉相手にとって魅力はあるけど、過剰でもない。
そういうレベルに期待値をコントロールできれば、ハードな交渉を避けられます。
相応しい対価がないなら断る
ムリすればできることだとしても、相応しい対価が得られないならやりません。
交渉相手にとって、対価としてお金が出せない場合でも代わりのものがあるなら応相談です。
次の契約で有利にしてくれるとか、こちらの評判を上げてくれるとか。
何も出せないなら、せめて感謝してくれるとか。
何もいいことないのに無理すると、良い結果を出そうという気持ちが摩耗するんですよね。
結果的に、共存共栄どころか誰も喜ばない話になっていく。
そうなることを避けるため、断る勇気も大事です。