バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - なぜ、あなたの仕事は終わらないのか

ラストスパート志向が諸悪の根源

本書タイトルの問いに端的に答えたのがコレ。

学生症候群(夏休みの宿題をギリギリまでやらない)」という言い方もありましたね。

時間に余裕がなくなってから取り掛かるから焦るし、完成度も低くなる。

そうこうするうちに、次の仕事もやってきて、次の仕事も時間に追われながらやり過ごす。その悪循環。

本書が提唱する「ロケットスタート時間術」は、これを断ち切ることができる。

仮に10日かかる仕事の場合、最初の2日間猛ダッシュでほぼ完成までもっていってしまう。

その後の残り8日間で完成度を高める、というもの。

特に面白い、というか共感したのは

仕事は最速で終わらせてはいけない

この一節。

2日でほぼ完成したものを+1日かけて終わらせてしまうと、次から持ち時間が削られてしまいます。

でも毎回10日の仕事を3日で片づけていたら、どこかで限界を越えて倒れてしまう。

だから残りの8日間はペースダウンして、ゆったりと完成を目指すということ。

なお「ラストスパート型で10日間で終わらせるのと何が違うのか?」

といえば、まったく違っている。

ほぼ完成状態になっていれば、上司や顧客の意向と違っていても方向転換ができる。

コラボする場合も、こちらがどういうアウトプットを出すかを確認できるから、周囲はこちらに合わせやすい。

概ねイイことづくめとなる。

本書は、仕事が1年の長期になる場合や複数の仕事を並行させる場合などケース別でのロケットスタート時間術も解説しているため、読者が自分の仕事に取り入れやすくなってるところも良いです。

「忙しくて時間がない」と困る人は、試してみるのがおススメです。

余裕を生み出す方法

時間に余裕を作って仕事の完成度を効率的に高める。そのための方法としてロケットスタート時間術は良いと思います。

余裕を持つことの意味としては、本書でいうように安定的に完成度の高い仕事をすること、次の仕事に備えて予習をできることがあります。

余裕を生み出すためにロケットスタート時間術を使う以外に、もう一つあると思ってます。

それは、仮に時間に余裕があっても、コスパの低い仕事は断るという姿勢。

コスパが低い仕事というのは、かけた時間に相応しいアウトプットが出せない仕事のこと。

コスパの低い仕事で時間が埋まってしまうと、肝心な仕事を引き受ける余地が減ってしまいます。

それよりは、次の仕事のために仕込みをした方がマシだと私は考えてます。

成功する人は「時間」を本当に重要視している

スティーブ・ジョブズが服選びに時間をかけないため、同じデザインの服を何着も持っていた、というのは有名な話。

でも本書でのビル・ゲイツの話は初めて聞いたし、スゴイとも思いました。

曰く、ビル・ゲイツマイクロソフトCEOだった頃、彼は社員から何らかの説明を聞くときに、直接その社員から説明を聞くのではなく、ビル・ゲイツに分かり易く説明するための専門スタッフを経由して聞いていたとのこと。

説明を聞く時間を効率的にするためだけに専門スタッフを雇っていたという徹底ぶりはスゴイですよね。

そこまではなかなか難しいですが、慣例で続いてるようなコスパの低い仕事はやめるか、効率化するところからでも始めてはいかがでしょうか