読了 - 40歳GAFAの部長に転職した僕が20代で学んだ思考法
この会社(GAFA)の中で求められるものはロジカルさ、分析力、行動力、人を動かす力などハイレベルのスキルセットでした。
本書は著者の寺澤さんが20代のときに教わった思考法を、当時の上司Nさんとの会話をきっかけに解説するスタイルになってます。
Nさんとの会話を身近に感じる臨場感が理解を深めるというのが著者の狙い。
20代の方なら「自分のこれからを良くする」ために。
20代を超えた人には「教え方」を学ぶテキストとして良いですね。
「美味しいカレーのつくり方」の答え
「寺澤くん、美味しいカレーを作るには、どうしたらいいと思う?」
最初に登場するNさんからの問いかけがコレでした。
どう答えますか?
本書では寺澤さんがNさんから
「まず、寺澤くんの回答は視野が狭い。もっと『全体像』を見ないと 」
バッサリとダメ出しされた後、
「何か提供するときは、その提供先のことを考えること。『誰にねらいをつけるか』というターゲティングが必要なんだよ。」
そして、寺澤くんは全体像を見ることの大事さを知る、という良い話に落ち着いて進みます。
でも、最初の問いに対して私が考えた答えは『美味しいカレーを作れる料理人を捕まえて丸投げ』でした。
手抜きじゃないんですよ、これでも。
実際、Nさんの解説を読んだ後も私の意見は変わりません。
「美味しいカレーを作るにはどうしたらいい?」とだけ問われたら「優れた料理人に任せる」が最適解だと思います。
それでは理由を説明しましょう。
そもそも「美味しい」は主観に過ぎないため、「誰にとっても美味しい」は実現不可です。
次に美味しいカレーに最低限必要なものを考えます。
それはレシピ(材料の構成と調理プロセス)、材料、それを活かす料理スキル、です。
これが揃わないなら、誰に提供するかなど考えるだけムダです。
レシピと材料があって、優れた料理人が確保できたなら、カレーを提供するターゲットや諸条件が変わっても対応できる確率は高いはずです。
よって結論は『美味しいカレーを作れる料理人を捕まえて丸投げ』が最適解となるわけです。
「教え」における「問いの発し方」
私が美味しいカレーのつくり方をNさんに答えたとすれば、きっと「全体像を見ることが大事」という教えを伝える流れにはならなかったでしょうね。
ここで考えてみるべきは「問いの発し方」です。
問いかける相手の思考パターンを適切に想定して、問いを発しないと伝えたかったこと(全体像を見る)を伝えられないまま、話が逸れていってしまうわけです。
つまり「教え」は相手に対する日々の観察や対話が前提として存在しないと成立しないということなんですね。
リモートが増え、職場でもオンラインでの交流が中心になったとしても仕事仲間との相互理解は外せないと思い起こした書籍でした。
なんか、おかしいですか…
まあ、気づきが得られたから満点ということで。