バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - Good Team 成果を出し続けるチームの創り方

日本中の職場が「誰も行きたくない場所」になっている。

このインパクトある問題提起は本書冒頭にいきなりブチ込まれてます。

これは著者が20年にわたってコンサル、セミナー、講演の場で聞いてきた会社員の「生の声」だとのことですが、確かに「会社が楽しくてしょうがない」という人は多くないですね。

(がっつりアジャイルな人には、仕事や仕事を通したトライを楽しんでる人も割といますけどね)

より良いチームをつくることが「成果を出し続けること」に直結するわけではありませんが、職場を「居たくない場所」にしないことにつながること、成果を出すことに前向きになれることに繋がるのは確かでしょう。

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職場のはチームじゃない

本書では「昭和的チーム」という表現をしていますが、その特徴は

リーダーが「正解」と思われるゴールを指し示し、そこに向かってチームが一丸となって走ることで成果をあげていました。

つまり

  • リーダーが正解を示せること
  • リーダーに従えば成果が(ある程度)保証されていること

ということが信じられた時代はそれでよかったんです。

でも、今はそういう時代ではありません。

今の職場におけるチームというのは、会社に集められた個人にすぎません。

リーダーは正解を示せる保証はないし、命令に従ったからといってメンバーにとっての成果(報酬)を約束できる訳でもありません。

だからこそ、上意下達を前提とする昭和なチーム運営からの脱却は必要不可欠です。

リーダーは単なる役割

本書中にも

チームに上下関係はありません。リーダーは単なる役割です。

とあります。

これに私は全面的に賛成です。

ただ、リーダーにしか出来ないことがあります。

それはビジョンを描くことです。

「どう在りたいのか」を描き、メンバーに示し、共感を得ること、これだけはリーダーにしかできません。

グッドチームとは

  • ビジョンを共有していること
  • メンバーがお互いを配慮し、リスペクトしながら分担、協調できること

だと思うのです。

本書の提言は一部に昭和的チームを引きずっているように思われる個所もあって、全面的には共感できなかったな、というのが個人的な印象です。

読まれる方は、チームの在り方を自分なりに定義して、ステップアップを志向する中で取り入れる個所を取捨選択するのが良いと思います。

どうせ「こうすれば必ず成功する」という方程式はありませんからね。