バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - ワークマンはなぜ2倍売れたのか

よく見るとタイトルは「ワークマンは商品を変えずに売り方を変えただけでなぜ2倍売れたのか」なんですね。

「なぜ2倍売れたのか」の答えは目次に至る前に出てきます。

つまり、売り方を変えることで従来とは異なる客層をつかんだことが売上倍増に繋がった。

本文では「何故それが出来たのか」がかなり具体的に解説されています。

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ざっくりまとめると「経営者の発想と、その発想を具現化するだけの底力があった」ということになりますが、その内容は王道を徹底しているという印象です。

その一例として、「データ経営に本気で取り組んでる」ことがわかる個所を抜粋すると、

  • タイプの異なる2店舗を同時期に出すと、売り上げの差分が取れる。そして出店するたびにABテストでデータを蓄積
  • データ分析は、完全にカリキュラム化されている。入社年次に合わせて、ステップを駆け上がるように学習計画が組まれている
  • 経営幹部にまで毎年、データ分析講習を課している
  • 最適在庫をどう実現するかなど、データを分析できる人が部長になる

データアナリストなどデータ分析の注目度が高まりましたが、自社と顧客企業を含めても、データ分析をちゃんとやってるなと感じる企業に出会う機会はあんまりないというのが実感なんですが、ワークマンってスゴイですね。

ただ分析重視になると変えてはいけないものまで見過ごされそうで心配です。

もっともワークマンはそこも大丈夫らしいです。

トップが次のように仰ってますから。

ダントツに安いが、安かろう悪かろうではない。しっかりと品質や機能性を保証する。それがワークマンの生命線であり、だからこそ、多くの職人に愛されてきた。

本書を読んだ一番の印象は、ワークマンの歩んできた取り組みが楽しいだけじゃなく、リーダーたちの考え方が具体的に紹介されているので「自分の場合はどうする?」と参考にしやすい本ですよ。

おすすめな良書でした。