バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 新・仕事力~「テレワーク」時代に差がつく働き方~

切れ味鋭い、というよりは、大きな鉞でバッサ、バッサと切り捨てる、そんなイメージの本。

私的には、1章(君たちはどう働くか ~ 間違いだらけの「働き方改革」)と、2章(「エクセレント・パーソン」の条件)、が本書の中核、と感じました。

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3章はタイトルこそ「公務員こそ働き方改革を!」ですが、無駄の多すぎる公的業務を改革しないとダメだという話。

確かにほとんど同じような仕事のはずなのに、ウィルス並みに亜種がありますからね。

亜種が多すぎてコントロールできなくなってる現状を変えないと効率化は難しいでしょう。

大前研一らしい提言

  • これから日本企業は正社員を思い切り減らして優秀なギグを世界中から(ネットで)集めるべき

  • 間接業務の生産性を高めるポイントは最初から間接業務を専門とする部署や社員をつくらないことである

企業規模を大きくすることで、経理、営業、総務など、それを専門に行う人を配置できて効率化が進む。これが労働生産性を高める基本的なアプローチだと思っていたのですが、本書はその考えを真っ向から否定しています。

優秀な人材は雇わなくても必要な単位で協業できればいいだけだし、労働集約によって効率化する仕事は自動化するか外に出してしまえ、ということです。

従業員が多いことはリスクなだけ、なのかもしれないと思うと、ちょっと怖いですね。

答えを自分たちで見つけなくてはならない時代に、答えを覚えるだけだった時代の教育法を使っているところに、日本の教育の根本的な問題がある

この一節を読んだとき、最近の疑問「なぜ昭和な働き方が今も続いているのか」が氷解しました。

昭和の社会を支えた先人は、大量生産が求められる時代に最も適合した働き方を探しあてた。

残念だったのは、この働き方を「正解」として学んでしまった人たちが、世界や技術の変化に関わらず、継承し続けてしまった。それが今「昭和な働き方」と揶揄されるに至った。

令和の社会を支える経営者やミドル層は、令和にふさわしい働き方を模索できるのか?

それはそうとして、自分はどうする?の答えを考えなきゃダメですよね。

ん~~~~頑張ろ。