読了 - 0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方
私の経験上、ダメな会社には共通点がある。
会議ばかりしているが、誰も何も決めようとせず、誰も責任をとろうとしない。
仕切る人間がいないので、場当たり的な議論に終始する。
ダラダラと時間ばかりが延びていく。
経営陣の発言で戦略が朝令暮改状態で、結果として戦略の一貫性がなくなる
メガネスーパーを再建させた著者 星崎尚彦氏の言葉ですが、いろんな会社でよくある話だとも思う。
本書サブタイトルの「超高速PDCAの回し方」を見て、ハウトゥー本的な書籍をイメージしていましたが違いました。
『経営側が「これやって」といえば現場が「すぐやります」と応える』これが出来る組織をつくり上げた過程を辿るのが本書。
とは言っても強引なトップダウンではなく、末端のスタッフに至るまで「思ったことを恐れることなくトップに発言できる」強固な信頼関係が作れているから「これやって」と遠慮なく言えるんだと分かる。
「0秒経営」のポイント
「やるべきことをやる」を徹底する
- 「そうはいっても、皆もう動き出してしまったし…」「絶対に売れると思っていたのに…」人間だから、誰だってそう思う。そして多くの場合、そうした見せかけの正論こそが、業績が伸び悩む原因
- 経済合理性が徹底されず、あちこちにムダ・ムリが放置されている。プロの経営者の仕事は、その問題をスルーせずに、一つひとつ潰していくこと
「見せかけの正論」は耳に痛い。
マズいと感じていても正当化したくなったり、気付かなかったことにしたくなったりしてしまう。
人間の弱さに敢えて正論を説きかけるのがリーダーの役目なんですね。
嫌われるんじゃないかと思うところですが、従業員のもつ感情や家庭事情に至るまで配慮しているからうまく回るんだと分かります。
腹落ちしないと全力は出てこない
- 「いいからやれ」のマネジメントでは、人を伸ばせない。…「いいからやれ」は…人間を思考停止に追い込んでしまう
- 脱落しかけている者を見つけたら、いま会社が何をやっているのか理解できるよう、ひたすら噛み砕いて説明する
リーダーは我慢強くないと務まらない、その覚悟を持てと言ってくれているのでしょうね。
本書全体としては、体系化されたハウトゥーではないけれども、実践に基づいた話ばかりなのでイメージしやすいです。
経営者だけじゃなく、組織長、グループのリーダーにもおススメ。