読了 - なぜ日本の職場は世界一ギスギスしているのか
ギスギスしているとは
期待と現実にギャップがあり、ギャップに対して我慢が強いられる状況、ですね。
日本の職場がギスギスする3つの主な要因として「旧態依然のマネジメントや働き方」「旧態依然の職場環境」「ジェネレーションギャップ」が挙げられています。
これらの要因、根本は同じで、大量生産型のマネジメントと働き方が「勝ちパターン」だったことを引きずっている、と言えます。
変化が緩やかな時代は、経験を重ねた年長者の方が有効なやり方を示せたし、上意下達のマネジメントが大量生産に向いていました。
しかし今は、先行きが見通せず、大きな変化が急に訪れます。
リモートワークだって、早い会社は10年以上前から取り組んでいましたが、コロナ禍の1~2年で急速に普及しました。
VUCAな時代となった今は、組織も個人も自律的に動くことが求められるようになりました。
でも、そこで働く人がこの変化にスムーズについていけるかというと、そう簡単にはいかない。
変化についていかなきゃと思う人、変化に抗いたい人、その混在がギスギスを生み出しています。
年功序列カルチャーから離れられない年長者を疎ましく思う世代がいるのは当然だと思うのですが、一方で私は「可哀想な大人たち」だとも思うんです。
だって、若いころからずっと、上に逆らえない下積みを乗り越えて、やっと偉くなれたと思ったら「これからサーバントリーダーの時代」と言われて、みんなの下に逆戻り。
第三者的に言うと、哀れですよね。
本書に話を戻そう
本書では職場でのギスギスの発生源を「環境」「スキル・メンタリティー」「制度」の観点から実際に起きていること別に解決方法を紹介するスタイル。
多分、ここで紹介される解決方法がジャストミートでなくても良くて、「ウチの職場の場合はどうしたらいいんだろう?」と考えること、試しに始めてみることが大事。
それが本書のメッセージでしょう。
いろんな人に本書を読んで危機感を感じてほしいと思ったのが以下。
日本の組織は同質性が高く、かつ流動性も低い…そのため、仕事が俗人化しやすく、阿吽の呼吸で仕事をする傾向がある。
近視眼的には効果があるので、こうなるのは理解できます。
だけど、中長期でみると組織の硬直化を招いてしまっています。
ダイバーシティやDXみたいな変化の波に耐えられなくなると「一回、リセットするしかないか」と全面崩壊につながってしまう危うさがあります。
「悪く考えすぎでは?」と言われそうですが、整備新幹線による地方鉄道の第三セクター化がその実例だと思ってます。
乗客数が伸びないのに効率化できない。
仕方ないから、在来線丸ごと本体から切り捨てた。
私にはそうとしか見えないです。
リセットを検討される前に変えないと、ですよね。