読了 - おもしろい話「すぐできる」コツ
二択で選ぶと感情が記憶を呼び覚ます
書名からズレて見えるけど、本書で一番印象に残ったのがこの話。
話しているエピソードが自分にとってどういう経験だったのか、記憶が曖昧なことはよくある。
そこを強引に「ポジティブ」あるいは「ネガティブ」な経験だと選んで口に出すと、当時抱いた感情とのギャップを感じる。
そのギャップを埋めるように言葉をつなぐと、だんたんと当時の感情と状況を思い出すことが出来るという。
人間の脳に対しては「最初に感情を大雑把に口にする」ことで、当時の感情の記憶がするすると出てくるようになっている
この話、スッと腑に落ちた。
以前から実感してきたことだけど「違和感」は使い方次第で強力なパワーを発揮する。
想いをうまく言語化できなかったり、考えをまとめきれない人は珍しくない。
そういう時、「どの辺りに違和感がありましたか?例えば~な感じでしたか?」と言語化する叩き台になることを提供してあげると、その叩き台と自分の考えとのギャップを感じるらしく、
「いや、そうじゃなくて…」
と、少しずつ具体的なことを話せるようになる。
これ、トラブルシューティングの時に何が起きたかをヒアリングするときに結構使える。
(違和感の使い方については、いずれご紹介したい)
「面白さ」は聞き手にとってのギャップ
本書の「おもしろい話」は、笑いをとれる話という意味ではない。
笑わせることができる時もあるかもしれないけど、興味ぶかいという意味の「おもしろさ」の方。
本書の内容をまとめると、
普通の人にとって面白い話を作り込むのは簡単ではない。
むしろ自分の感じたことを、そのまま丁寧に説明するように相手に伝えること、それだけで相手にとって面白い話になる。
そもそも聞き手は話し手のすべてを知ってる訳ではない。
このため自分の感じたことや、こだわりを丁寧に表現すると、それ自体が聞き手の先入観とのギャップになる。
それが聞き手にとって面白い話として受け取られる。
という話。
ただ、話をすることに慣れてない人にとって「感じたことを丁寧に」それ自体が難しい。
そこで登場するのが、上述した「二択で選ぶと感情が記憶を呼び覚ます」という方法。
自分の感じたことだから、少々強引でもウソにはならない。
でも、ちょっと頑張って話をはじめることで、記憶をたぐり寄せることができるから、補足するように話をつなげていけばいい。
自分らしくでいいから、怖がらずに自己開示することで聞いてる方には面白い話になる。
だから思い切って話せばいいよ、という話。
本書を読んでみたら「あ、そんなことでいいの」と思えるかも。