読了 - 会社には行かない
表紙にデカデカと「会社には行かない」とあったので従業員の視点で書いてあると思ったのですが… 逆でした。
本書は、マネジメント側の人を対象に、リモートワークを事業の運営形態として実践するコツとその考え方を紹介する本。
特別な人が集まらなくても、リモートワークを標準とした働き方は出来る。
「ほかの会社と何一つ変わらない普通の会社…ただコツが必要なだけ」というのが実践から得た著者の見解。
リモートワークを機能させるための考え方とやり方
- リモートワークという新しいルールで働くときに必要なのは、一人ひとりの役割を全うしてもらうことだけ
- 必要なのは「フラットな評価」と「自ら行動すること」
見えるところにいなくても、各自がきちんと役割を全うすればチームとしての成果は上がる。ただ、その為に必要なのは「具体的な役割の中身」と「どうなれば評価されるのか」を明らかにすること。
責務と評価基準が明確なら、大抵の人は評価のために責務を果たそうとします。
「ただでさえ物理的に離れているのに、それじゃチームがバラバラになるんじゃないか?」
そういう疑問に対して本書は、
「リモートワーク=アウトプットだけ出していればいい」は間違い
「アウトプットだけ出していればいい」という考え方には、チームで一緒に働く人や、自分の仕事を評価する人の視点が欠けている。
コミュニケーションを疎かにして、チームとしての成果が最大化するはずがない、とのこと。ごもっともですね。
引用が増えちゃいますが、
職場におけるコミュニケーションは「業務連絡」「仕事に関する相談」「雑談」… 場所が離れても、この三つを持ち込むことが大切 … 直接顔を合わせないからこそ、雑談が大事になる
これもリモートに限らず、チームを機能させるには大事なことだと思います。
リモートワークに翻弄されないために
エッセンシャルワーカーでない限り、リモートワークを全く受け入れないという選択肢は、もう無いんだろうと思うんです。
だって、条件付きとはいえオンライン診療まで始まってるんですよ。
「どんな仕事でもリモートでやれるのでは?」と考える人は必ずいるし、いつかブレイクスルーを生み出すことでしょう。
本書では普通の企業がリモートワークに取り組んでいく上での考え方に触れることが出来ますから、「具体的にどうする」の前に読んでみると良いように思います。