読了 - イノベーション・オブ・ライフ
『イノベーションのジレンマ』で有名なクレイトン・M・クリステンセン教授の著書、ほとんどそれだけで買ってみたのが本書。
テーマはタイトル通り「ライフ」。
それさえ、見過ごしてました…
とはいえ、私の選書がどうであれ、読んでみると示唆に富む内容で、結果的にはマーカーを随所に書き込むことになりました。
「第1部 幸せなキャリアを歩む」は、経営における考え方が、自身のキャリア戦略にも有効であることを教えてくれるものです。
特に共感したのは「第3講 計算と幸運のバランス」
キャリアプランを立てるとき、本書にある次の問いを向けてみると良いです。
この見通しが成り立つために、立証されなくてはいけない仮定のうち、どれが最も重要だろう?またどうやって検証すればいいだろう?
ちょっと重い目の表現ですが、この問いは、事業計画が本当に機能する計画なのか、それとも耳に心地よい、でも実現性の低い夢物語になっているかをあぶり出してくれるものです。
例えば「数年後に優れたプロジェクトマネージャとして認められること」を目標とする場合、いくつかの前提を満たす必要があります。
周囲が「簡単ではない」と考えるプロジェクトを幾つか成功させていること。
「あの人にプロマネをやってもらいたい」と請われる声が、うまくいってないプロジェクトのメンバーから聞かれること。
などが思いつきます。
そうすると、数年後の目標に対してのアクションが浮かび上がりますよね。
まず「簡単ではない」、複数のプロジェクトでプロマネを担当しなければいけません。
それには、少なくとも「任せてみよう」と期待される程度の実績が必要です。
また、「あの人にプロマネをやってもらいたい」とメンバーから言ってもらうには、プロジェクトを成功させるだけではなく、メンバーとの関係構築がうまくできていることも必要でしょうね。
こんな風に考えると、キャリアプランも具体化しやすくなりそうです。
なお、第2部は家族、第3部(短いですが)は誠実な人生がテーマ。
一気に読むとちょっと重たい(大事なことなので仕方ない)感じの本ですが、開いたあたりを気軽に読む、でもいいのかもしれません。
イノベーション・オブ・ライフ ハーバード・ビジネススクールを巣立つ君たちへ
- 作者:Clayton M. Christensen,James Allworth,Karen Dillon
- 発売日: 2013/03/29
- メディア: Kindle版