バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - その仕事、全部やめてみよう

『優先順位はひっくり返すと諦める順番』

あれもこれもと抱え込んでテンパってる人、いますよね。

傍目には、全部こなすには時間が足りないのが一目瞭然なのに全部やりきろうと焦ってる人。

そんな人に「優先順位は諦める順番の逆順。やらない場合の影響は?やらずに済ます方法は無いか?」とアドバイスすると、落ち着きを取り戻して進め方を考え直してくれます。

本書のタイトルを見て「仕事のやめ方」にフォーカスした話だとしたら面白いと思ったのですが、そういう訳ではありませんでした。

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各章を大雑把にまとめてみます。

第1章 「谷」を埋めるな、「山」をつくれ! - 市場で勝つ

  • 「谷」を埋めても「山」がなければ、顧客の目には何も「映らない」

第2章 「ハンマーと釘」の世界の落とし穴 - 正しく実行する

  • ハンマーを持つと釘を打ちたがるように、新しい技術やスキルを身に着けると、それを使うことが目的化してしまい、本質を見失う

第3章 「ラストマン戦略」で頭角をあらわせ - 自分を磨く

  • 「この人に聞いて分からなければ、無理だということ」そう認知されるスペシャリストになれ

第4章 「To Stopリスト」をいますぐ作る - 生産性を上げる

  • パフォーマンス最大化のカギを握るのは、力の入れ方ではなく「力の抜き方」

第5章 職場は「猛獣園」である - チームで戦う

  • 本当に多様なチームでは、職場は「猛獣園」のような様相を呈す。そんな中で猛獣同士が極力傷つけあわないようにし、かつチームとして成果を挙げていくにはどうすればよいか

1、3、4章は実は同じことを言ってます。

要するに短所を補うのではなく、目立つ差別化を極大化するほうが効果は大きいということ。

これってブルーオーシャン戦略ですね。

2章は技術者がやってしまいがちな落とし穴。

5章は多様性を尊重すると個性のぶつかり合いになるので、それをどう成果に結び付けていくかというアドバイス

多様な価値観と個性のぶつかり合いというのはコミュニティ運営と同じなんですよ。

コミュニティは階層型組織ではないので、会長と呼ばれていようとメンバー間だと肩書はなんの役にも立ちません。

組織でも多様性を認めるということは、これに近づいていきます。

昇給も昇進もしなくていいと言われたら、業務命令だと脅すことも出来ません。

多様な価値観を受け入れる組織でもっとも必要なのは、組織の存在意義・組織全体としての価値観を共有すること、お互いをリスペクトすること。この2つです。

昇進したら偉そうにできると思っていた人には難しい時代になりましたよね。