書籍「ドーナツの穴を残して食べる方法」
少し前の新聞広告欄で本書の広告を見かけたとき、「ドーナツの穴を残して食べる方法」という命題に対する解の方向性が各種の学問的見地で異なることが感じられて楽しそうに思えました。
Amazonでポチった後、書店で本書を見つけて気づいたのは…本のサイズと値段が違う。
新装版が出たんだ…600円も高く買ってしまった(泣)
そんな打ちひしがれた気持ちを引きずりながらも、読んでみました。
この本の楽しみ方 - 章ごとに異なる先生が執筆
本書内には一覧が無いので、各章を執筆した先生の専攻?視点?を並べてみます。
0章 経済学、1章 工学、2章 美学、3章 数学、4章 精神医学、5章 歴史学、6章 人類学、7章 応用化学、8章と11章 法学、9章 経済学、10章 語学、12章 国際公共政策
よくもまぁ集めたな、って感じですね。
章ごとに専門の違う先生が全く違う視点と論点で展開するお話は、なかなか興味深いものでしたよ。
ただね。「ドーナツの穴を残して食べる方法」そのものを論じていると言えるのは、実はほとんどありません。
一つの問いに対して、答えを考えるもの、問いかけたことの意味を考えるもの、問いから脱線、いや連想して思考を自由に拡げるもの、本当に様々です。
章によっては、早々に脱線してしまって、「そこからどうやってドーナツの話に戻るのか?」と探してるうちに終わってしまう章もあります。
学問というものは脱線を許すくらいでないと出来ないのかもしれないな、と思ったら気づきました。
きっとこの本が伝えたいことは「学問とは自由なもの」なんでしょう。
社会人になると、より短い時間で答えに辿りつくことが求められがちではありますが、時に自由に発想して、思考すること自体を楽しんでも良いのでしょう。
ま、そうでないとデザイン思考やアナロジー思考なんて、うまく使えそうにないですし、ね。
自分ならどう解くか
数学の先生が書いていた多次元の話の中にこんなことが書いてありました。
動く方向を増やすことによって、より自由な動きが可能になる。
平面上に描かれた円の中から、線を横切らずに外へと抜け出すことは、それが平面上で考えている以上、不可能です。しかし、上下という方向を加えて考えてよいなら、線をまたいでしまえば外に出られるということになる、という話です。
これを読んで「あ、そうか、時間軸を加えたら出来る!」と、ひらめきました。
まず、ドーナツには内包するエネルギーがあることを認識します。
少なくとも万有引力がありますから、ドーナツは周りの空間に対して引きつける力を発しています。
そして、ドーナツが瞬間的に消えると仮定します。
ドーナツが瞬間的に消えたとしても、それまでドーナツの持つエネルギーから影響を受けていた周りの空間には、ドーナツに引っ張られていた名残りがあるはずです。
もちろん時間が経てばドーナツが無くなった後の空間の中でエネルギーはバランスをとって行くはずですが、消えた瞬間はドーナツのあった場所に沿ってエネルギーの歪があると考えられます。
ドーナツの輪に沿って瞬間的に食べつくすことが出来れば、エネルギーの歪として穴が残っている状態を作れる。
つまり、ドーナツの穴を残して食べる方法は「一瞬でドーナツを食べつくしてエネルギーの残照を穴として残す」で、どうでしょうか?
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