読了 - 伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法
もう随分前になりますが「リッツ・カールトンが大切にする サービスを超える瞬間」という本を読み、そのサービスを生み出す考え方と仕組みに、スゴイと思いましたね。
中でも強く印象に残ったのは「紳士淑女にサービスする紳士淑女」という言葉です。
時を経てこの言葉をリッツ・カールトンにもたらしたホルスト・シュルツ氏が自ら著したリッツ・カールトンの本が出たと知り、本書を買いました。
本書の構成
本書は3つのパートで構成されています。
パートⅠの「お客様に接するときの最良の方法」では、サービスとは、どうあるべきかを。
パートⅡ「組織を磨く日々の努力」ではサービスを提供する組織の在り方を。
パートⅢ「リーダーの本当の仕事」は、まあ、タイトル通りの内容でした。
書き方としては、ポイント提示、ポイントの解説、ときどきポイントにまつわるエピソード、みたいな感じなので読み易い上に、示されたポイントの意味もイメージしやすくて、分かりやすいです。
ポイント提示の例を目次に出て来るだけでも挙げてみると
- お客様が望んでいる3つのこと (パートⅠ)
- 成功のための4つの最重要課題とは (パートⅠ)
- 3種類のお客様 (パートⅠ)
- お客様を失う3つの方法 (パートⅠ)
- 7つの評価基準 (パートⅢ)
- 8つの重要な問い (パートⅢ)
このほかにも本文中には「優れた社員を育成するために必要なこと」のようなことも出てきます。
お勧めだし、面白いところ
■解説が具体的
やはり、パートⅠ、Ⅱで語られる「サービスとは、どうあるべきか」は納得感ある話が面白く、自分ならどこまで出来るだろう?と考えさせられます。
納得感があるというのは、列挙されている注意事項が具体的であるだけでなく、実際に効果に繋がったことも併せて書かれているからです。
例えば、少し引用させて頂くと、
顧客サービスは、あなたとお客様が接した最初の瞬間から始まる。…
サービスの第一歩はお客様を心から歓迎することだ。…
お客様が3メートルの距離まで近づいたら、何はさておき歓迎の気持ちを表しなさい…「3メートルの距離」と言ったことに注意してほしい。10メートルではない…
長年かけて何十万ものコメント・カードを分析してきたが…お客様とホテルとの接触のうち、最初の4つ( たとえば電話予約オペレーター、ドアマン、ベルパーソン、レセプション・クラークとの接触など )が気持ちよく完了すれば、その後の滞在でお客様から苦情が出ることはほぼ皆無である
ここまで具体的なら、自分の仕事に置き換えて考えることも難しくありませんよね。
■問いかけが面白くて、自分なら、自分の勤める会社の人たちなら、なんて答えるか気になる
ところどころに登場するシュルツ氏から読者への問いかけにハッとすることもあります。
「自分はこの問いに答えられるかな?」「ウチの会社の人たちならどうだろう?」と考えさせられます。
4つ挙げてみますので考えてみて下さい。
- 人はなぜ(仕事から)引退するのか?
- あなたの会社の目的は何ですか?あなたの仕事はそれとどう結びついているのですか?
- 部下の心に火をつける存在になるには何を変えればよいかを自問していただきたい
- 自分たちの会社は何であるか?
最後の問いにまつわる話として、こんなことも書いてました。
ある会社の社員たちに7分の時間を与えて、自分たちの会社は何であるかを書いてもらったことがあるが、出てきた答えは、気の毒なほどばらばらだった。
会社が何処に向かおうとしてるのかを、社員がばらばらに認識してたら、うまく運営できるはずがありませんよね。
でも、想いや目標をちゃんと共有してる会社って身近では見たことがないですね。
いや、会社どころか、自分のチームですら共有できてないです。
でも、決して命令したり怒鳴りつけて共有するのでもないそうです。そんなことが出来ているリッツ・カールトンってすごいホテルですよね。
私は、お客様のために何が出来るんだろう。
う~~~~~~~~~ん…
リッツ・カールトン、泊まりたい。
伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法
- 作者: ホルスト・シュルツ,御立英史
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