バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 「書く」習慣で脳は本気になる

「書くだけで願いが叶う」「書き出すだけで痩せられる」など、書くことが自分自身の行動に影響を与えることを書籍なんかで見かけることはよくあります。

TVにもよく出てた脳科学者である茂木健一郎さんが、これを解説してくれるのかなと思って読んでみました。

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脳の性質その1:偶発的なことに対処できる

茂木さん曰く、かつて人類が狩猟や採取だけで生活していた頃は、次の瞬間に何が起こるか見えない状況に置かれていた。そのような状況に適応できるように進化したのが人間の脳。

まあ、言われてみれば「そりゃそうですよね」と納得です。でも、その後に続く

何が起こるかわからない状態を楽しむ気持ちは、進化の過程で脳が身につけた生きる知恵といえます。

という考えは、論理が飛躍してて「?」です。

何が起こるか分からない状態に不安を募らせる人よりは、「何が起きるんだろう?」とワクワクできる人の方が、何が起きてもそれなりに対処できて、結果的に生存確率が高まる、ということが言いたいこと、なんですかね。

脳の性質その2:脳自身が考えてることを常には把握しない

「おまえは何を考えてるんだ?」

生きてるうちに何度かは他人から言われそうな言葉ですが、我々の脳自身も自分が何を考えているのかということを、いつも把握している訳ではないそうです。

書き出してみないと考えていることを整理できないのは脳本来の性質だったんですね。

つまり「書くだけで願いが叶う」の真意は、書かないと願いが分からない、そして書くことで、ようやく脳は、やるべきことを具体化できるからなのでしょう。

ここで思い出したのが、ライフハックで有名なプラクティスのGTD (Getting Things Done)。

GTDは頭の中にある「やらなければいけないこと」「気になっていること」を紙に書き出すことから始めます。

思いついたことを頭の中にピン止めすることは出来ないので、時間が経つと「何があったかな?」と思い出すことになります。

この思い出す行為を繰り返すこと自体がムダだし、抜け洩れがあると、さらにムダ。

こういう理由でGTDでは、「やらなければいけないこと」「気になっていること」を紙に書き出すのですが、脳科学的に見ても正しいやり方だったようです。

書くことで脳が本気になる

脳には過去、現在、未来の認識が出来なくて、未来のことである夢を想い描くときも、いま実現していることのように認識するんだそうです。

そうすると脳には報酬物質であるドーパミンが放出され、脳は本気モードに入るとのこと。

本気モードに入った脳は、想い描いた夢を実現するためのアクションを次々と思い付き、アクションをこなすことで更にドーパミンが放出されて、ますます楽しくなってくる。

これが本書のタイトル「書く」習慣で脳は本気になるのコアなんでしょう。

すべての人に「カノン」となる出来事がある

本書のコア的な内容ではなさそうだけど気になったのが「カノン(canon)」という言葉。

そのままググってもカメラで有名なメーカーしかヒットしませんね。

本書曰く、ある分野において標準的に読まれたり、観たり、聴かれたりするべきもののことだそうです。

これを個人レベルに当てはめると「自分の人生に大きな影響を与えた出来事」だとか。

何が気になったかというと、幼い頃にまで記憶を遡り、自分に大きな影響を与えた出来事を探してみると、今の自分の思考パターンというか行動原理に強く関係していることに気付くということです。

そう言えば、ドラマや小説でも主人公には過去にこんなエピソードがあって、みたいなのをよく盛り込んでますね。

自分の「今」に影響してるエピソードを探してみると、改めての気づきが得られることもありますし、「そんな昔のことに引きずられてたのか!」と驚くこともあったりして面白いですよ。

ぼーっと出来る時にでも、一度、お試しください。