バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 謝罪の極意

企業や有名人による謝罪会見ってTVでよく見かけるようになりました。

そうなれば当然、謝罪会見コンサルタントともいうべき職業があるに違いないとは思いますが、対象が謝罪なだけにあまり目立つような活躍もなく、実情が分かりません。

やはり、相当気を付けないと顧客の怒りの受け流し方みたいな悪い印象を持たれそうです。

先日、日本マイクロソフトエバンジェリスト西脇さん(@waki)が、この本を「めちゃくちゃ分かりやすい」とツィートしてたので、翌日ジュンク堂で探してみると確かに読み易そうだったのもあって、そのまま買って帰りました。

著者の越川慎司さんは、元日本マイクロソフトのCQO(最高品質責任者)で585回も謝罪を経験した異色の方のようです。

謝罪するような事態が起きない方が良いのは当然ですが、越川さんは本書で、その事態を真摯に受け止めて解決に導くことができれば、顧客とのより良い、より深い関係に踏み込むことに繋がる、ただそれには適切な伝え方がある、と教えてくれているように感じました。

何度か読み返しておきたいところ

■第3章 謝罪に臨むための心構え より

謝罪に向かわないといけない時、憂鬱だし怖いのも当たり前です。

でも必要以上に恐れたまま、顧客訪問すると「問題を解決するために来ました」という姿勢は伝わらなくなってしまいます。

顧客は、その第1次感情(悲しい、さびしい、苦しい、困った…)を分かってくれてないという憤りから怒りが高まる、そのことを顧客訪問前に振り返ることができれば、必要以上の怒りを受けずに済むかもしれません。

顧客の困ってる実態を放置したままの解決はない、ということですね。

■第4章 訪問にむけて準備すること

持参すべき3点セット「誠意」「原因」「再発防止策」

これは冷静に考えれば当然のことなのですが、顧客が激怒するような事態になるとテンパって忘れてしまいそうです。

この3点セットを持参するために、把握すべきなのが顧客側の情報(問題発生個所、損失の程度、…)と、社内の情報(いつ発生し、いつ解決しそうなのか、回避策は、そもそもの問題発生原因は、…)などポイントが掲載されてます。

問題の無い時に、ときどき見返しておくことにします。

■第5章 当日の立ち居振る舞いと注意点

この章は訪問前のチェックポイントが満載です。列挙すると著作権的に問題が有るので控えます。

でも、チェックポイント4の「腕時計は必ず外す」は、気づかなかったけど大事ですね。

内緒で持っておきたい一冊

本書は、かなり具体的ですし、わかり易く書かれています。

トラブルがあって謝罪に行かないといけなくなった時、本書を読んでいれば周囲から「困った時に頼りになる人」と尊敬されるかもしれません。

読んだことをブログに書いておいてなんですが、周りに勧めず内緒で持っておきたい本でした。