読了 - ハーバードの日本人論
書店で物色してた時、目についたのが本書の帯。
- ハーバードが解き明かす「いかにも日本人らしい」の真相
- 日本人とは何者か?
早速、買い求めて読み始めることにしました。
本書を開いて目に入った冒頭文が
日本人ほど「日本人論」が好きな国民はいない。
見事に言い当てられた気がしてビックリしました。
改めてこれまで書いたブログを振り返ってみると、外国の方が自分たちをどう見てるか、気にしてることアリアリですね。
そうか~、日本人らしい日本人だったからなのか~、うんうん。
全体的な印象
本書は著者がハーバードの教授陣に日本、あるいは日本人に関する問いを投げかけて得られた回答の形式で、ハーバードでの日本に関連する研究や授業内容について書かれたものです。
インタビューの時期も2018年10月と、割と最近なので身近な感じがします。
読んでると「へー、そんな切り口で考えることを教えてくれるのか」と感心する箇所が結構あって、ハーバードの授業が受けたくなりました。(ハードルが高くて難しいのと、行くならアメリカよりヨーロッパの方が好きなのでハーバードには行きません、というか、行けません…)
各章にみた気づき
章のタイトルを本書では「第2講義 ~」と表現しており、章ごとに異なるハーバード教授の考えを紹介してくれるスタイルをとっています。
以下の章タイトルを見るだけでも、それぞれがどんな話になるのか気になりませんか?
第1講義 メディア論: 日本人はなぜろぼっとを友達だと思うのか
第2講義 美術史: 日本人はなぜ細部にこだわるのか
第3講義 遺伝学: 日本人はどこから来たのか
第4講義 分子細胞生物学: 日本人はなぜ長寿なのか
第6講義 社会学: 日本人はなぜ「場」を重んじるのか
第7講義 マネジメント: 日本人のオペレーションはなぜ簡単に真似できないのか
第8講義 宗教史: 日本人はなぜものづくりと清掃を尊ぶのか
第9講義 日本文学: 日本人はなぜ周りの目を気にするのか
第10講義 比較文学: 日本人はなぜ物語の結末を曖昧に描くのか
読んでみると、章タイトルにある問いの答え以外にも「言われてみれば、そうだな」という発見が結構あって楽しめます。
ここでその「言われてみれば…」を、いくつかピックアップしてみます。
- 宮崎駿の映画では男の子は飛行機や宇宙船などテクノロジーの力を使い、女の子は魔法の力を使って飛ぶ(第1講義)
- 日本人ほど大豆を食べる国民はいません(第4講義)
- 日本の政治の大きな特徴は長期的に安定した政権が続く中で時折歴史的な変化が訪れる(第5講義)
- 自由民主党は国民にそれほど人気があるわけではないのに、ずっと選挙で勝ち続けてきた(第5講義)
- 「副業・兼業の促進」に驚くハーバードの学生…副業・兼業の促進は政府が机上で考えた非現実的な政策(第6講義)
- 破壊的イノベーションが日本企業から生まれ難い理由は、日本の経営者にとって、判断のもとになる主たる情報源が50代から70代の日本人男性に偏っているから(第7講義)
- 「日本人の大半は無宗教」という固定観念のある学者が日本を訪れると、日本人の行動や生活がとても「宗教的」であることに驚く(第8講義)
- 強者に挑む弱者を応援したくなる気持ちは世界共通の現象。しかし判官贔屓は日本人独自の特性ではないかと熱心に議論するところが、いかにも日本人らしい(第9講義)
どうぞ本書を手に取って発見してみてください。結構楽しめますよ。
- 作者: 佐藤智恵
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2019/06/06
- メディア: 新書
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