読了 - 400のプロジェクトを同時に進める…スピード仕事術
長いんでちょっとだけ省略しちゃいましたが本書のタイトルは「400のプロジェクトを同時に進める佐藤ナオキのスピード仕事術」です。
著者の佐藤ナオキさんはニューズウィーク誌の「世界が尊敬する日本人100人」(2006年)に選ばれたほど有名なデザイナーで、建築、インテリア、プロダクト、グラフィックと多岐にわたるデザインを手掛けていて、2024年走行開始予定であるフランスの高速鉄道TGVもデザインしているそうです。
(多分、このTGVではない)
本書がいうスピード仕事術は、個々の作業を速く処理することではなく、同時処理能力です。
そのため、大事なのは
いろいろなことを並行して考えたり進めたりできるような工夫や環境づくりこそ、重要
ということで、著者の工夫を紹介したのが本書というわけです。
スピードを上げることの効果
スピードを重視することで、
早く仕上がる → 関係者に喜ばれる → 手掛ける仕事の幅が広がる → 経験値が高まる → 仕事の質が高まる → 早く仕上がる…
というループが出来て、仕事の質が高まるとのこと。
うまく回せるようになることがポイントですね。
時間の使い方
時間の使い方について共感した工夫が以下2つです。
- 仕事を3つに分けて、スケジュールに3割の空きを作る
- Now - 3日以内程度で終わらせること
- Later - 急がなくてもいいけど、放っておくと危機的な状況になりかねないこと
- Maybe - やらなくてもいいけど、やったら長期的なメリットが期待できること
- やりかけた仕事は必ず終わらせる
- 途中で中断すると、いつまでも頭に残しておかないといけない
特に「やりかけた仕事は必ず終わらせる」は有効なので、意識するようにしてます。
中断した仕事を再開するには、どこまで考えていたかを思い出す必要があるわけですが、思い出すための時間は何も生み出しません。
どうしても中断せざるを得ないときでも、再開しやすい状態にして終えるようにはしてます。
時間を効率的に使うポイント
■ ダメな仕事は引き受けない
うまくいかないプロジェクトや、価値を感じてもらえない仕事は断るということです。
勤め人だと「このプロジェクトってダメだろうな」と思っていても断れないことも少なくないのですが、結局うまくいかなければ顧客に不満が残るので避けたいものです。
うまくいかないプロジェクトを見分け方
- 着地点が見えない状態のまま「とりあえず何点か作って」
- 担当者に決定権がない、あるいは顧客内の意見を調整する力がない
ついでにITシステムの開発プロジェクトでうまくいかないケースを一つ。
『エンドユーザーが「変えたい」と思っていないシステムはうまくいかない』です。(NotesからSharePointへの移行プロジェクトで失敗するケースは、ほぼコレです。)
■ よりスピーディーにゴールを目指す
- どうすれば手数を減らせるか。(時間をかけることで質が高まるか)
- 時間軸を意識する。…過去と現在を理解し、それを踏まえて「未来をどうしたいか」を明確にし、どのターゲットにどう働きかければよいかを考えるのが基本
以前にうまくいった方法でも、そこからいろんなものが進化したのが今ですから、質を変えずに手数を減らしたり、手数が減らなくてもより良い結果を求めることは、いろいろと出来そうです。
スピードアップに一番大事なのは「判断基準」
本書を読んでる途中で気づいたことが、実は本書終盤に登場するのですが、著者のスピード仕事術のコアは、意思決定するための判断基準を明確に持つことです。
判断基準が明確なら、やると決めたことはある程度パターン化できるから効率化も出来そうですし、何よりも迷いながらやる仕事のスピードが上がるわけないですものね。
さて、私の場合は判断基準はあるつもりですが「明確」とまでは洗練できてませんね。精進します。
400のプロジェクトを同時に進める 佐藤オオキのスピード仕事術 (日経ビジネス人文庫)
- 作者: 佐藤オオキ
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2019/10/02
- メディア: 文庫
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