読了 - 1分で大切なことを伝える技術
エレベーターピッチに限らず、短い時間で要点を話せるというのは、話した相手から「賢そうなヤツ」だと思ってもらえることもあり、憧れる人の多い能力ではないかと思います。
齋藤 孝さんというと、TVでもよくコメンテータとして活躍していますし、著作の数がすごいですよね。
その齋藤 孝さんは本書のまえがきで「簡潔かつ印象的に話すことは、才能の問題ではない。練習するかどうかに、すべてはかかっている」としています。
「簡潔であること」を解説する書籍は割と見かけるのですが、「印象的に話すこと」も同じくらい大事なこととしている書籍は初めて見たかもしれません。
ということで、読んでみました。
構成を私が受けた印象から書き出してみると、
- 1分間という時間の捉え方(第1章)
- 伝える時の、1分間の使い方(第2章)
- プレゼンの質を上げるためのポイント(第3章)
- 伝え方をレベルアップするための勉強法(第4章)
- 実践例
という感じです。
特に強調されているのが「川のフォーマット」。
川のこちら側から向こう岸まで、踏み石を渡るように聞き手を誘導する話し方で、話の構成や話し方をイメージしやすい、というところでしょうか。
時々でも読み返したい箇所
会議で重要なのは、クリアな問題提起力
上述のとおりですが、議論を活発にしたいなら上手い呼び水が必要ということですね。
大切なことを伝えつつ「誰かが走り込みたくなるようなスペースをあける」というのも大事です。
自分の話を心の中のチェックシートでチェックする。
言いっぱなしでは話の質は向上しない。だから自分の心の中でチェックする習慣を持つことが重要。
本書には話し方の技術面と話した効果の面でのチェックポイントをまとめたものが記載されています。部分的に紹介しておくと、こんな感じです。
- 技術に関するもの
- 具体例はあったか
- わかりやすく、相手の経験に沿うような話ができたか
- …
- 効果に関するもの
- 心を動かせたか
- 相手の方から提言や質問はあったか
- …
「カギカッコ」意識を持て
「小見出しにできる言葉を意識的に強調することで印象に残せる話し方になる」は共感しました。
以前に読んだ本で「プレゼンにはTwitterで呟けるキーワードを入れる」とあって、なるほど!と思ったことから、どうしても強調しておきたいことは、ツィートしやすいキーワードで表現することを心がけています。
その他
「第5章 実践!ケース別・一分の使い方」は、謝罪のケースや初対面の人と仲良くなる場合など、それ1分で出来ないのでは?と思うケースが並びます。
おそらく1分では無理な気がするものの、まとめてあるポイントは参考になるので一読の価値あり、と思います。
さくっと読める本ですが、時々取り出して、自分の話し方や1分の使い方を振り返るのに使いたい本でした。
- 作者: 齋藤孝
- 出版社/メーカー: PHP研究所
- 発売日: 2009/01/15
- メディア: 新書
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