読了 - あたりまえを疑え。自己実現できる働き方のヒント
プログラムを作るアプリケーションエンジニアは、よくJava系と.NET系に大別されることがあります。いつの間にやら.NET系は主流ではなくなってるようですが、私は結構MS好き。きっかけは多分、「闘うプログラマー」を読んでデーヴィット・カトラーに憧れたからかもしれません。
MS好きが高じた訳ではないですが、時間と費用が捻出できる時はMSのカンファレンスやセミナーに参加しています。その中で私がいつもマネしたいと思うスピーカーはエバンジェリストの西脇さん、ジニアス平井さん。
でも、見た目も評判もインパクトのある本書の著者、澤 円さんは以前から気になる人の一人でした。Amazonの「この商品をチェックした人は…」で見かけたのも縁だなと読んでみることにしました。
ターゲットは若い世代(だった)
読んでみて最初に気付いたのは、これまでに自分でも、そうだなと思っていたことが書いてある(もちろん全部じゃありません。まったく同じなら私もエバンジェリストになってたかも、ですし)ということ。
そして今更ながらに気付いたのは、この本のメインターゲットは若い世代だったんですね。
「選書ミス…」とは思ったものの、評判のエバンジェリストがどのように若い世代に伝えるのかを学ぶという価値もあるので、通して読んでみると、共感すること、異論を感じること、それぞれあって楽しめました。
印象に残った個所
自分に無かった視点や、特に印象に残った個所を幾つかピックアップしますね。
1つ目は、日本企業に欠けているのは「時間は借りものだ」という概念で、欧米の企業ではミーティングが15分早く終ると「15 minutes back to you.(15分返すね)」と言って解散するという話。持ち時間は誰でも1日に24時間しかないのだから、相手の時間も大事にするという感覚を持たないといけませんね。
2つ目は、モチベーションは他者が手を加えて上がるものではない、という話。これ自体は、私も全く同意しますが、続く文章の「人のやる気というのは、人によっては変わらない」には、一言付け加えたい。上に立つ人間の思いこみや配慮に欠けた言動で人のやる気はそがれてしまいます。できれば、他者のモチベーションを下げてしまわない注意を忘れない自戒は持ち続けたいものです。
3つ目は、自分プロデュースの原則「なりたい自分を言語化する」。
本書では「言語化する」という話がよく出てきます。言語化することで具体的な行動に移ることが出来るし、自分を向上させるというのは、まったくもってその通りと思う反面、自分を振り返ると「出来てないなー」と反省してしまいました。
まとめると
で、話もどって「どのように若い世代に伝えるといいのか」です。
ポイントを3つにまとめると、
- 伝えたいことの柱を示す。
- 考え方と構造を示す。
- 自分の体験をもとに話を組み立てる。
というところでしょうか。
日本のビジネス社会では、かなり個性的な見た目をキープしながらもデキる人と認知されている著者ですので、ご一読もアリかなと思います。
(すみません。私好みの文体ではなかったので、推しが弱くなってしまいました。)