バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - グラビアアイドルの仕事論

池上彰さんのお勧めでもありますが、少し大きな書店をぶらついてネットでは自分から探さないような本との出会いを楽しんだりしています。

そんな時に、女性が自撮りしているところ、という変わった表紙の本書を見つけました。

パラパラとめくってみた第一印象は、字が大きい、です。

息抜きのつもりで読むには良さそうと思って買いました。

本書を一言でまとめると

装丁のインパクトと違って「具体的で王道なセルフプロデュース術」です。

グラドルである著者が後輩グラドルに向けたアドバイスのように書いていますが、一般向けのセルフプロデュース指南書としてみても十分な内容です。

セルフプロデュースというと難しく感じる人もいると思いますが、本書を読むと努力で身に着けることができるスキルだとわかります。

特に2章と3章は具体的なアドバイスが盛りだくさんで分かりやすくて、参考になります。

その例として、なるほどーと感心した箇所を少しだけピックアップしてみます。

2章より

顧客目線を考える

「顧客目線で考える」という言い方はよく見聞きしますが「顧客目線を」とした言い回しは初めてです。

「顧客の立場で考えましょう」と促すより、「顧客の目はどこに吸い寄せられると思う?」と問いかけた方が顧客を強く意識できますね。

活動にストーリーを持たせる

ブランディングにおいて一貫性は大事なものです。

でも「一貫性を持たせる」と意識するより、「活動にストーリーを持たせよう」と意識する方が一貫性のあるアプローチができそうです。

3章より

努力は(方向性が合っていれば)必ず報われる

他人事であれば「いや、頑張りどころが違うし。」とツッコミたくなることがあったとしても、自分のことだと気づかないことが多々あります。

本書が言うように、「努力は」の後にカッコ書きで「方向性があっていれば」と付け加えるのは、ウマいやり方ですね。今度、どこかで使わせてもらいます。

つぶやきの内容のバランスを考える

「継続的な発信を」とは常々思っていることですが、そのバランスまでは考えてなかったなあと実感しました。

フォロワーに楽しんでもらうには、こういうことも大事なんですね。

読むときの注意

本書の欠点をあげるとすれば、章扉の写真と本書の真ん中に置かれた番外編がキュートすぎるので電車内やスタバで読むには周りの目が気になります。

「まじめな本を読んでいるだけだ」と心を強く持って読むか、自宅で心置きなく読むことをお勧めします。

グラビアアイドルの仕事論 打算と反骨のSNSプロデュース術 (星海社新書)