読了 - ブランディング
「ブランド」というとファッションや高級品を思い浮かべる人が多いのですが。ITエンジニアにもブランディングは必要だと信じてます。
ブランドの本来の意味は "ある財・サービスを、他の同カテゴリーの財やサービスと区別するためのあらゆる概念"(Wikipedia)です。
つまり、周りから区別されるようにすることです。
ITエンジニアも面白い仕事、自分のためになる仕事を得ていくには、他の誰かではない自分を選んでもらう必要がありますので自分ブランドを作るためのブランディングが必要なんです。
今回、この本を買ってみたのは最近増えてきた「いいねを増やすためには」みたいに一つの施策に偏ってないように見えたから、です。
その意味では本書は思った通りだったのですが、本書の主なターゲットは企業あるいは自治体などの組織におけるブランディング担当者ですね。
ただ、セルフブランディングでも応用できる考え方や切り口はありました。
ここがお勧め
本書は「はじめに」に書いてある通り、『実務的で本質的なブランディングに招待する手引き書』です。
特にスターバックスおけるブランディングの事例(5章)と、ブランディングの効果測定をするための具体的な指標を解説した6章は、ブランディングの推進担当者の方にはお勧めです。
ブランディングも企業活動であるからには投資効果の評価は欠かせませんし、これからブランディングのコンサルティングなどを発注するのであれば、あらかじめ本書の知識を仕込んでおいた方が、より良い結果に辿り着けそうです。
セルフブランディングに応用するなら
個人としてなら、本書はどう使えるかなと考えてみました。
ずばり「エクササイズ」です。
[1]ブランド デフィニション・モデル(3章)での「ブランド」という言葉を「自分」に置き換え、その答えを考えてみる
- ブランドの存在理由 - 人材としての自分?
- ブランドの市場優位性 - 勤め先を含む人材市場における自分の優位性?
- ブランドターゲットの欲求 - 人材市場がもつニーズのうち、どれに訴求する?
- ブランドの提供価値 - 人材市場に何を提供する?
などなど。
[2]ブランド強度スコア(6章)を評価してみる
セルフブランディングだと測定が難しいものがほとんどですが、指標を選んで自己評価してみれば行動指針にできそうです。
例えば「信頼確実度」。
ブランドの中核概念を確実に実現する組織文化、能力があると既存・潜在顧客に信じられているか?
見られたい自分(モデリングがうまいとか、速いとか)や、自信を持っているスキルは、周囲にどの程度認知されているか?
十分に認知されていないとすれば、どうすればいいのか?など考えてみると、やることが見えてきますね。
本書の後半は特に実務的なので、ブランディングをするつもりで読むのがお勧めです。