読了 - 新地方論
本書は、そんな複雑であいまいな「地方」をめぐるモヤモヤを書き綴った本である。
その書き出しのとおり地方の現実に対し、つらつらと雑感を書き連ねている印象を受ける。
切り口のテーマは10コ。
居場所、政治、メディア、アート、スポーツ、食、子育て、死、書店、と広くて面白い。
本書は「都市か、地方か」の間に広がるそれぞれの都市論や地方論を読者自身が自由に論じて欲しいと促している。
せっかくなので感じたことを書かせてもらおう。
居場所としての都市の役割
本書曰く、居場所には「やる」場所と「いる」場所がある。
都市には多くの人がいる。
それがトガったモノや考え方を受け入れる隙間を作っている。
東京にはネギ、アボカド、バナナジュース、それだけに特化した専門店がある。
地方だったら1か月も経たないうちに訪れる客が途絶えるに違いない。
全体から見て一握りの人にしかウケないとしても、その一握りが大きければ何とかなる。
アイデアも同様。
人がたくさんいる。そのことが知識や発想の出会いを生み出す。
それこそ都市に住むメリット。
それでも都市に住む人は地方に出かける。
それはきっと都市が「やる」場所であって、「いる」場所ではないから。
何もしなくても居ていい、そんな空間も人間には必要なんでしょう。
都市と地方の境界線が揺らぎ始めている
コロナ禍のせいでリモートが急速に普及した。
それは物理的には地方にいても、人が大勢いる場所(仮想世界)に直結できることを意味する。
人口減、人材不足に悩む地域社会を変える機会の一つに違いない。
既成の枠組みを変えることができれば、地方と都会のイイトコどりも出来そう。
副業解禁も始まってることだし、面白そーな時代になるといいなぁ