読了 - 1秒で捨てろ!
マイクロソフト株式会社(現在の日本マイクロソフト)の元社長、それが著者 成毛眞氏の本を読む切っ掛けでした。
数年前に「日本人の9割に英語はいらない」を読んだのを皮切りに何冊か拝読してますが、いつもその斬れ味の小気味良さと、視点の大胆さが楽しく、気持ちよく読むことが出来ます。
腹をくくるなら、とことん自由に生きていい、そんな気にさせてもらえます。
成毛氏の著書は、娯楽の一種として楽しむのもアリだと思ってます。
本書にも厳しいめのメッセージが溢れてますので「よし、早速やろう!」と思えるか、エンターテインメント ライクに読めないなら、心が挫けるのでお勧めしません。
捨てる時代
「10年ひと昔」と、それこそ昔は言っていたのですが、今や5年先も簡単に見通せないくらい変化の激しい時代になっています。
その時代を生き残っていくには、新しいものを使いまくらないとトレンドが掴めない。
新しいものを取り入れるには、持ってるモノを捨てるしかない。
また、ビジネスの世界では、出来るといっても目立つほどでないなら差別化には繋がらない。
中途半端なことを出来るだけ削ぎ落として、得意分野にリソースを集中させるのが良い、これが本書のメッセージだろうと読みました。
また、最後のページにあった次の言葉も成毛氏からの大事なメッセージでしょう。
オリジナリティを発揮したいなら、先人の教えや先行事例などを捨て去って、自分一人で考えることが大事なのである。
捨てるのは、仕事、人間関係、モノ、こだわり、情報
ムダな仕事、人付き合い、物理的なモノ、こだわり、情報、順番に成毛氏流の捨て方が紹介されていますが、面白かった点についてコメントしてみます。
エライ人が出席しなければ、会議はなくなる
マイクロソフトの社長だったころ成毛氏は、会議に俺を呼ぶな、と宣言することでほぼ会議をなくしたそうですが、社長でないとなかなかできませんね。
エライ人が会議をしたがるのを止められない立場にとっては無駄な時間でしかないようにも見えますが、そんな会議にも効能が無いこともありません。
会議の効能の例を挙げると以下のような感じ。
- リスクヘッジ
- 事前に了解をとったという証拠
- エライ人への安心の提供
- 所詮、トップが出来るのは、人とカネの配分だけ。安心してもらっておかないと、過剰な報告を求められることもあり得ます。
- エライ人の「参画している感」づくり
などとフォローしてみてますが、エライ人の出る会議は正直なところ面倒です。
物を捨てるときは、人を呼べ
捨てようか残そうかと逡巡していた「宝物」に対して、十中八九、ゴミ認定が下される。
他人はその宝物に対する「思い入れ」の程度が分からないので当然ですね。
思うに、迷うのは比較の軸が複数あって、一長一短だからでしょう。
そんな時、迷うことで失うもの、典型的には機会が失われるのですが、そのトレードオフに納得できるなら「迷い」を楽しんでもいいと思います。
(あ、これって損失回避バイアスの使い方でしたね)
簡単に、迷いを楽しむことが出来るようになるとは思いませんが、迷ってる間に失ってしまうもの、それに思い至れば、捨てるか残すかは決められそうですよね。
さてと、私も溜まってきた本をどうするか考えようかな。
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