バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - ヒトはなぜ先延ばしをしてしまうのか

怠慢だと思いながらもモチベーションが上がらず先延ばしにしてしまうことはある。

そういう時にこんなタイトルを見かけて読みたくなってしまった。

本書は先延ばしが生じる仕組みと克服法について解説した書籍。

先延ばしが生じる際の心の動き、その代表が

  • どうせ失敗すると決めつけている

  • 課題が退屈でたまらない

  • 目の前の誘惑に勝てない。

  • 果実が得られるまでの時間が長くなるほどモチベーションが下がっていく

これらをもとに著者は先延ばしの方程式を生み出した。

この方程式、概ね納得感があるものの、その答えにたどり着くまでの話が「ちょっと長いな」と感じる。

まさに、果実が得られるまでの時間が長くて、読み進めることを先延ばしにしてしまいたくなる。

皮肉な話だなと思ったけれども、改めて考えると、そこに著者の狙いがあったのかもしれない。

結局、先延ばしは個人に帰する怠惰ではなく人類が持つ性質の一つなんだ、そういう思いを本書は与えてくれる。

とはいえ、先延ばしをしてしまう理由を知ったところで改善されるわけがない。

先延ばしを言い訳するバリエーションが増えるだけ。

そして、言い訳がもっともらしくなればなるほど、周囲の視線は痛くなる。

本書で得られる知識を前向きに捉えるには、自分以外の誰かが先延ばしをした時に「あー、この人もハマったのか」と、自分の怒りを抑える材料にするぐらいだろうか。

先延ばしの起源は9000年前だった

ちなみに先延ばしが人類の性質と言える説明は3章にある。

「9000年前」の根拠は示されてないが、少なくとも4000年前、古代エジプト人の記録には「先延ばし」と読み取れるものがあり、紀元前700年頃のギリシャの詩人が書いた作品には「仕事を明日やあさってに先延ばししてはならない」と書いてあるそうだ。

つまり、3000年程度じゃ人間の性質は変わらない。

うまく付き合う方が利口なんだろう。