バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 佐藤可士和の打ち合わせ

実りある打ち合わせだったな、と思うこと、どれぐらいありますか?

働き方改革のおかげで、会議室に「時間厳守」「終了時刻の5分前には片付け始める」など標語っぽいものが張り出されるようにはなりましたが、その中身は「急に呼ばれて参加する」こと、「どういう結論を求めてるか不明」、「そこ盛り上がるところじゃないよね」的なことが相変わらずあると感じています。

そんな先日、いつもと違う書店に立ち寄ったところで本書に出会いました。

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そもそも「打ち合わせ」をテーマにした書籍は初めて見ましたし、佐藤可士和さんが書いたなら面白いかも、と期待して購入しました。

ちなみに本書の初版は5年前ですが、今回のは最近、文庫化したものです。

5年経過したことが「今までは考えられなかったような分野の人々とコラボレーションしなくては…」という情勢の変化を生み、打ち合わせの重要性が増したことも文庫化のきっかけなのでしょう。

打ち合わせの質を高めるにはルールが必要

本書は、佐藤可士和さんが実践する打合せのルールを解説するものです。

冒頭に挙げた「~厳守」のような外形的なものではなく、打合せの質を高めることを目的としたもので、158個のポイントが紹介されています。

いつものように幾つかピックアップしてみます。

  • 「とりあえず、打ち合わせ」は時間の無駄
  • 最終形の正解でなくてよいので、自分の考えを持っていく
  • どういう打ち合わせにするか、イメージできているか
  • ラスト5分の使い方。
    • 決まったこと、決められなかったこと、宿題を明確にする。
    • 明確にできたかの指標は「打ち合わせ後、すぐに実作業に移れるか?」
  • 終了後5分の使い方
    • 自分の行動計画を整理する
    • 高揚感の残っているうちに、打ち合わせを振り返り、自分用議事録を書き留める

なお、ピックアップしてないポイントは参考にならないという意味では決してありません。

全部挙げると、引用の限度を超えて著作権侵害になりそうなので控えてるだけです。ご承知おきください。

携帯して時々、読み返す本

ざっくりと言うなら「うまくやる人のノウハウを言語化したもの」ですし、紹介しているポイントは地味だけど効果が期待できるものです。

「あ、これは自分もやってるな」と思うものもあるのですが、本書からわかるのは「優秀な人ほど地味な努力を欠かさない」ということです。

一読してみて、どれくらい意識できているかを自己点検するだけでも効果はあると思いますので、ぜひ入手することをお勧めします。

佐藤可士和の打ち合わせ (日経ビジネス人文庫)

佐藤可士和の打ち合わせ (日経ビジネス人文庫)