読了 - 東京大田区・弁当屋のすごい経営
「日替わり弁当のみで年商70億円 スタンフォード大学MBAの教材に」の文字に釣られました。
教材になったポイントは
当時、東京都心で1日5万食。
当日注文、当日配送で昼12時までに弁当が必ず届く。
廃棄率0.1%未満で弁当の味もいい
このことをスタンフォード大学に在学していた方が分析レポートに書いたことで、サプライチェーンマネジメントを専門にしている教授が訪ねてきた。
確かにそこだけ聞くと驚きですが、その中身を聞くとなるほどと思う仕組みです。
過去データ(経験)に基づいて受注見込みを立てる
見込みをもとに早朝から生産開始
配送部隊は遠距離、中距離、近距離にわかれ、遠い順に早くから担当エリアに移動して注文確定を待つ。
確定した注文を各エリアで配達
遊撃隊ともいうべき配送車があって、エリア間での弁当の過不足を調整
余った弁当は、昼休みが13時からみたいな顧客に販売
「優れたビジネスモデルはキレイで分かりやすい」と誰かが言ってましたが、まさにその通り。
「わかりやすい」ということは誰にでもマネできそうに思えるのですが、大抵の場合はそうじゃないようです。
裏に隠れているのは優れたオペレーションと、優れたオペレーターを育成する仕組み。
理屈はマネできても、明文化しきれないノウハウや人材まではマネできない。
なかなかスゴイです。
このお弁当屋さん「玉子屋」は、人材活用や事業承継でも教材になることがあるとか。
その辺りも本書では詳しく解説されていて、後進育成という面で参考になります。
「おわりに」にある『事業を失敗するこつ 十二箇条』もいいですね。
こちらはググってみると割と見つかりますし、著者も頑張って探したけど出典が見つからないとありましたので掲載しても良いとさせてもらいます。
事業を失敗するこつ 十二箇条
第一条 旧来の方法が一番良いと信じていること
第二条 もちはもち屋だとうぬぼれていること
第三条 ひまがないといって本を読まぬこと
第四条 どうにかなると考えていること
第五条 稼ぐに追いつく貧乏なしとむやみやたらと骨を折ること
第六条 良いものはだまっていても売れると安心していること
第七条 高い給料は出せないといって人を安く使うこと
第八条 支払いは延ばす方が得だと、なるべく支払わぬ工夫をすること
第九条 機械は高いといって人を使うこと
第十条 お客は我まま過ぎると考えること
第十一条 商売人は人情は禁物だと考えること
第十二条 そんなことは出来ないと改善せぬこと