ウォーターフォールにも活かせるアジャイルの知恵
「はじめに」だけで置いとくわけにも行かないので、
いきなりで申し訳ないのですが再利用ネタから・・・(^^;
■ウォーターフォールでも使える七つのプラクティス 〜会議編〜
これは、昨年のライトニングトークネタだったのですが
私がアジャイルの特徴的な考え方である
- ムダを省く
- 問題 vs. 私たち(顧客+開発者)
を応用した七つのプラクティスを紹介したものです。
1.無音時間を減らす
2.考えていることを見せる
3.決定しやすくする
4.キャッシュ・アウトさせない
5.キャッシュ・アウトさせない
6.臨場感を与える
7.立ってるものは親でも使え
それでは、それぞれ簡単に説明していきましょう。
■1.無音時間を減らす
会議では時々、誰も発言していない時間があります。
それは、議論してきたことを頭の中で整理しているのかもしれませんし、
何を言おうかアイデアをひねり出そうとしているのかもしれません。
でも、議題と関係ないことに思いをめぐらせていたり、
話し疲れて思考停止に陥ってしまってるのかもしれません。
会議の中では多少の無音時間は必要なのですが、
膠着してるな〜と感じたら、待ってるのもなんですし、
頑張って静けさを打ち破りましょう。
「分からなくなってきたので、整理させてもらっていいですか?」
と切り出すのは無難で結構使えます。
■2.考えていることを見せる
一生懸命説明しても、頭の中で描いているものは誰にも見えません。
ホワイトボードや、手持ちのノートでもいいので書き出してみてください。
多少、間違ってても構いません。
他の出席者が「それは私の考えと違う」と発言してくれれば
認識がズレていたことが分かりますから。
■3.決定しやすくする
課題とその解決案を理解するために費やしている時間は、
決定事項の重要度と比例しているわけではありません。
何かを決めて欲しいときは、決定に必要な情報と選択肢を提示する
クローズドな質問で決定を促しましょう。
■4.キャッシュ・アウト(Cash out)させない
ソフトウェア開発における顧客満足は
顧客満足 = (顧客が得た価値の合計) ÷ (顧客が支払った総コスト)
です。当たり前のことを言ってるようですが、
要件定義などで詳細な部分の話をしているときに
忘れられがちです。
開発側からすると、機能を削れば売上も減るのですが
顧客に損をさせたくないという姿勢が、
「問題 vs. 私たち」の構図を印象付けます。
■5.キャッシュ・アウト(Cache out)させない
コンピューター同様、人間の頭も時間が経てば大切なことでも忘れます。
要求分析や仕様検討などの会議では、会議と会議の間隔が長くなると
会議の冒頭に入る『前回までのおさらい』の時間が増えていきます。
不要だとまでは言いませんが、この『おさらい』の
時間は短いほうがいいでしょう。
■6.臨場感を与える
要求分析や仕様検討の際、エンドユーザーがそのソフトウェアを
使っている場面が眼に浮かぶくらい具体的なイメージを説明するほうが
分析も検討も進みます。
臨場感を感じさせられるほど、ソフトウェアを使っている
シチュエーションを説明するには準備も大変ですけど
かなり効果は見込めます。
これにはペルソナ/シナリオ法が有効ですね。
■7.立ってるものは親でも使え
「問題 vs. 私たち」の視点で考えれば、顧客も自分の上司も
問題を解決するためのチームの一員です。
遠慮なく、協力体制を築きましょう。
私がよくやる例では、開発するソフトウェアの操作マニュアルは
顧客に作ってもらうことが多いです。
操作マニュアルを顧客に作ってもらうことには捨てがたいメリットがあります。
- マニュアルの読み手であるエンドユーザーをよく知っているのは顧客自身です。このため、エンドユーザーにもっとも配慮できるマニュアルの書き手は顧客自身となります。
- マニュアルを書くことで、顧客は紙面による設計書だけではわからなかったそのソフトウェアの動きを理解できます。
これらのメリットを理解してもらうと、結構手伝ってくれるものですよ。
この七つのプラクティスは私が実践して効果があったと感じているものです。
もし、共感していただけるなら、試してみてくださいね。