読了 - 高校生とやってみた デザイン思考のプロセス術
新しく知った思考法を「分かった気になる」までの道のりは、嫌になるほどのつまづきを越えていくことになるもの。
3年に渡って「デザイン思考を高校生に教える」ことに挑戦した試行錯誤を綴ったのが本書。
毎年入れ替わる生徒相手に、新しいコト、しかも「デザイン思考」なんて教えるのは大変だろうに、よくトライしたものだと感心します。
まったくの手探りから始める1年目の挑戦。
1年目の反省を踏まえた2年目の挑戦。
そして3年目。
工夫、ふりかえり、工夫、…と繰り返す過程を追体験していると、一緒に考えているような気がしてきます。
教える方は悩みに悩んだろうけど、きっと楽しかったでしょうね。
ワークショップや研修プログラムを主催する人におススメな書籍。
特に共感したところ
Lesson 11: 理解だけでは、実行できない。練習が必要な理由はそこにある
子どもに理屈を教えただけじゃ、子どもは自転車に乗れるようにはなりません。
転ぶ、よろつく、立ち止まる。
何度も繰り返す練習の先に体得する瞬間が訪れます。
これぞSECIモデルの「内面化(Internalization)」新たに得た形式知を学習により体得するプロセスですよね。
教え方として、特にいいなと思ったのはゴールとして、
「自分たちが作ったものを産業フェスで販売すること」
を設定したところ。
教わる過程で考えたことが正しかったのか検証する場があると、学びと気づきは質・量とも格段に上がります。
教え教わる枠の外に「検証の場」を置く工夫は絶対に取り込むべきものです。