バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - ソフトバンクとユニコーン企業

企業評価の視点からユニコーン企業のビジネスモデルをひも解いた、と言えばいいのかな。

最初に取り上げられるのがTikTokを運営するByteDance。

TikTokはすでに有名すぎて説明するものではないけれど、本書でピックアップしているのが、その収益。

2017年に150億元、2018年に500億元、2019年に1000億元と、急速に規模拡大しているものの、いずれも目標を到達した程度。

利益率が必ずしも高かったわけではないという点。

これはコンシューマー向けインターネット企業の特徴のようで、利益確保よりも市場獲得を優先する傾向があります。

musical.lyやiReaderの解説でも同様の傾向が読み取れ、早期に国外市場獲得を図っていることがわかります。

やはり、BLITZ SCALINGはユニコーン企業には王道のようですね。

ただ、電撃的に市場獲得を果たすには

指数関数的に巨額化する資金の必要性を投資家に納得させねばならない

BLITZ SCALING

というわけです。

そこで考えるべきことが企業評価方法です。

本書3章『インターネット企業をどうやって評価するか』では、従来の企業評価方法がインターネット企業の評価にマッチしないことを押さえた上で、市場と企業自身の成長ポテンシャルを説明できる必要があるということがわかります。

ユニコーンを目指す方としては参考になるとは思いますが、文章の校正が甘くて、読みづらい点と、サブタイトルにあった資金調達の話にもっと踏み込んで欲しかったかなぁ。