バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - The Art of Marketing マーケティングの技法

正直なところ本書は難しかった。

事例、概要、特徴と効用、使い方、つくり方、検証の仕方と続く本書の構成は、親切で分かり易い。

難しいのは本書で解説されるパーセプションフロー・モデルを腹落ちさせること。

何回か描いてみないと使いこなせない。

「初めて自転車に乗れるようになるまでの感じ」と言ったら分かってもらえるでしょうか。

腹落ちすると、きっと自然に描きだせて、スイスイと自転車を走らせるようにマーケティング活動を考えられる、そんな技法である気がします。

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AIDMAが通用しない時代のマーケティング

AIDMAは昔から言われる消費者行動を説明するモデルで、Attention(注意)→ Interest(関心)→ Desire(欲求)→ Memory(記憶)→ Action(行動)の頭文字を取ったもの。

しかし本書の指摘は

関心のないものに対して注目することはほとんどない

モノも情報も溢れてしまったから、関心のないことはスルーしてしまう。

そんな現代社会の消費者は関心があって、はじめて認知する

また、

今月のユーザーのレビューは、来月のユーザーの訪問に影響します

この指摘もグッときます。

今はレビュー、口コミの影響は無視できないレベルに達していますから、まったくの新規顧客でも「その商品・サービスを使った感想」を知っている。

フリーミアム、フリートライアルも、その状況を助長します。

だから最初から、リピートまで掴むつもりでマーケティングしないとダメという話。

パーセプションフロー・モデルは「消費者の認識(パーセプション)変化を中心としたマーケティング活動の全体設計図」とのことですが、自分なりの言葉で説明できる理解に達してないです。

何度か自分で描いてみて、その後、ワークショップとかで理解を深めたい技法です。

カスタマージャーニー・マップとの違い

パーセプションフロー・モデルについて、ここではほとんど説明しなかったので本書からカスタマージャーニー・マップとの違いを引用しておきます。

ちょっと読んでみようと思っていただければ幸いです。

類似点①:消費者視点でマーケティング活動を管理する

類似点②:変化の全体を俯瞰する

類似点③:活動の役割に沿った効果測定ができる

相違点①:消費者の行動か、消費者のパーセプションか

相違点②:現在の見取り図か、未来の建築図面か

従来にないベネフィットを提供するプロダクトであれば、カスタマージャーニー・マップではなく、パーセプションフロー・モデルの方が良いようです。