読了 - 「仕事ができる」とは どういうことか?
いわゆる「仕事ができる人」と、そうじゃない人を分けるものは何か?
それが本書のテーマ。
担当者あるいは中間管理職であれば、スキルフルな人が「仕事ができる人」と言っても良さそうだけど、その上、経営者ともなればスキルだけでは足りない。
その先にあるのが「センス」だ、ということ。
確かに、傍目に努力してそうで、出来ることをあれこれ持っている人がいても、それが理由でその人を「センスがある」とは言いません。
でも「センスがある」と言われている人は、ムリなく卒なく成果をあげている、そんなイメージがあります。
本書は、
第1章 スキル優先、センス劣後の理由
第2章 「仕事ができる」とはどういうことか?
第3章 何がセンスを殺すのか
第4章 センスを磨く
と、構成されているのですが中身は対談形式なので、楠木 建さんと山口 周さんがパネルディスカッションしているのをセミナー会場で聞いているような本。
じゃあパネルディスカッションでいいじゃん、とも思いますが、話の途中途中で「自分はこういう時にどうしてたかな?」と振り返ったり、他に何ができるかを考察してしまいます。
だから、本にしてるんですかね。
本書での「仕事ができる人」と「センス」の話から共感した個所
- (施策の)AとBとCが箇条書きにならない。AがあってこそBがあり、BができてCが出てくる、というように時間的な奥行きがある。要するにAとBの間にロジックがあり、BとCの間にもロジックがあるということなんです
- 仕事ができる人の思考様式は、箇条書きやTo Doリストではない。順列的なストーリー思考がユニークな戦略を生み出している
課題に出会った時、課題からゴールまでの道筋が見える感じですかね。
システムシンキングの因果ループ図が使えそうな気がします。
もう一つ挙げておきます。
仕事ができる人の思考の軸足はインサイド・アウトです。
完全な未来予想はできない。
情報は不完全でも、まず自分なりのロジックやストーリー、自分なりのハッピーエンドみたいなものが見えている。もちろん知らないことはいっぱいあるんだけど、「わからなかったらあとで取りに行けばいいよ」というのがインサイド・アウトの考え方です。
足りないスキルや人は自分だけでカバーしなくてもいい。
「必要だけど足りていない」そのことに気づいてさえいれば、補う方法を探せばいい。
それでもゴールまでのシナリオと、そこまでに必要なモノ・コトを見つけられなければ、ほかにスキルがあってもゴールには到達できない、ということですね。
「センス」をまとめてみましょう。
スキルは武器や戦力。それだけで戦いに勝つことはできない。
勝つために必要なのは戦略や戦術。
ときどきの場面で、どの戦略、戦術を選ぶのか。それを選び取るのがセンス。
ゴール達成までの道筋を描く力と言ってもいいかもしれません。
自分にも多少なりともセンスがあるとは思うのですが、自分にセンスがあることを裏付けを持って説明するのって難しいですね。
ちょっと、いい説明ができないか、考えてみたいと思います。