バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - BRAIN DRIVEN パフォーマンスが高まる脳の状態とは

思考方法や自己啓発の本だと思ってました。

予想に反して本書に書いてあったのは、モチベーション、ストレス、クリエイティビティの仕組みを神経科学で解き明かすガッツリな脳の話。

学術的な部分は基礎知識がないと難しいですが、とりあえず流してしまっても気づきは十分に得られます。

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心理的安全性やルーティーン、レジリエンス(折れない心)を得る方法など、よく耳にする話題について神経科学の視点から解説してくれています。

具体的なノウハウまでは本書では落とし込んでいないのですが、背景にある脳の仕組みが分かると経験的に知っていることに背骨が通る感じがします。

これは一読の価値ありとお勧めできます。

以下、興味深かった個所をいくつかピックアップしておきますが、Kindle Unlimitedを使ってる人なら無料で読めますので是非どうぞ。

モチベーションと心理的安全性

脳は危険(高いストレス)を感じると「考えている場合じゃない、逃げよ」と命令する。

あるいは「戦え」のモードを優先する

心理的安全性の重要性は書籍やサイトで解説されていますが、実はこういうことなんですね。

心理的安全性が保たれていない環境だと人間は本能的に逃げるか戦うかのモードに入っちゃう。

モチベーションが高まらないのも納得です。

ルーティーン - 実はアレと同じ原理

脳内でそのお気に入りの言葉をつぶやいたり、映像を頭に思い描いたりするとモチベーションが高まる仕組みがあるそうです。

これと決まった動作を合わせるということを繰り返し繰り返し続けると、動作がモチベーションを誘引するようになる、これがラグビーの五郎丸選手で流行ったルーティーン。

意識的な動作によって無意識下の作用を関連付けるわけですが、実はこれベルを鳴らすと涎が出るパブロフの犬と同じ原理。

ちなみに神経科学的にいうと「モチベーション」とは何か?

① 原因となるお金的な「刺激」があり、

② それを受けて脳や体内の変化(ドーパミンノルアドレナリンの増加など)が起きる。

③ この変化を認識した状態がモチベーション

日常会話に出てくるモチベーションは前向きな「やる気」を指しますが、神経科学的に言うと「前向き」も「後ろ向き」も関係ないんですね。

モチベーションに直接的に影響する神経伝達物質ドーパミンノルアドレナリン

ドーパミンは基本的に「SEEK(探し求める)」するための情動と説明されることが多く、数多くある情報から意図しない情報を減らすことで認知性を高める効果がある。

要するに未知に立ち向かっていく気持ちを作ってるモトなんですね。

ノルアドレナリンは「Fight or Flight(闘争または逃走)」に役割を果たす交感神経と連動して放出されることが多く、あらゆる情報に対して認知性を高める、とのこと。

こちらは、危険に対処するためのもの。

こういう解説を読むと人間も動物なんだなと実感しますね。