バナナでも釘は打てる

柔らかく美味しいバナナでも、ちょっとした工夫で釘は打てます

読了 - 管理ゼロで成果はあがる~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう

もし書店、あるいはアマゾンが、この本との最初の出会いだったら、手に取っただろうか?

以前にコミュニティーのリーダーを務めていた折、上意下達でなくても優れた成果はあげられるものだと実感していましたし、そういう組織形態は自律と協調を重んじるアジャイルプロセスと相性がいいのではないかとも思っていました。

日経新聞の広告欄で見つけた時、昨年注目されたティール組織の話だと思ったことに加えて、著者がアジャイルプロセスの旗手としても著名である倉貫義人氏だったことが、本書をチェックした切っ掛けでした。

実際に本書を手にして目につくのは、蛍光色で表紙に踊る「上司なし・決裁なし」「休暇は取り放題」「働く時間も場所も縛りなし」など扇情的なキーワード。

正直、少し軽めのハウツー本みたいなだな、とも感じます。

でも本書の中身は、倉貫氏が実際に組織を成長させてきた経験に基づく、プラクティスが紹介されています。

そして紹介の仕方にアジャイラーらしさを感じたのは、背景となっている原則や価値観も併せて書いてくれているところです。プラクティスは組織やチームの文化的背景や状況など様々な条件によって、そのまま適用できないことがよくあります。そんな時はどういう価値観に基づいて、何を達成すべきなのかを軸足に考え直すことで自分のチームなりのプラクティスを生み出せばよい。本書はそういう使い方が出来るように書いてくれています。

自分の勤め先に課題を感じている人や、会社全体は変えられなくても、自分のチームだけでも変えたいと感じているリーダーには、できれば手に取って最初の方だけでも読んでみることをお勧めします。

読み進むと、自分のチームを変えていくには?試す場合の課題は?などと、度々、考えさせてくれます。

「面白そうだけど、こんな問題が起きるんじゃないかな?」と疑問が浮かんだ時、続きを読むと倉貫氏の考えが記されていて、読み手のモヤモヤがちゃんとフォローとされてる、と感心してしまう箇所もちらほら。

読み終わった後は、目次にさっと目を通せば、考えるのに必要な視点を思い出せるので、これからも時々眺めることになりそうな一冊でした。 

管理ゼロで成果はあがる ~「見直す・なくす・やめる」で組織を変えよう
 

 (ふ~、やっと書けた)